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米空軍高官「台湾有事は2025年」 内部メモで準備指示

(更新)

【ワシントン=中村亮】米空軍高官が内部メモで、台湾有事が2025年に起こると予測して準備を急ぐよう指示したことが27日、分かった。米政府当局者が日本経済新聞の取材でメモの存在を認めた。個人の見解だとみられるが、中国による台湾侵攻の可能性を巡る米軍の警戒の高まりを浮き彫りにした。

米空軍で輸送や給油を担当する航空機動司令部のマイク・ミニハン司令官がメモを同僚に送った。ミニハン氏は19年9月から2年間にわたってインド太平洋軍副司令官を務めており、中国軍の動向に詳しい。

国防総省当局者は取材に対し「(ミニハン氏の)コメントは中国に関する国防総省の見解を代表するものではない」と強調した。

27日に送られたメモの全文を入手した米NBCテレビによると、ミニハン氏は台湾有事を念頭に「私が間違っていることを望む。25年に(中国と)戦う予感がする」と指摘した。24年に米国で大統領選があることに触れ「米国は(内政に)気を取られる」と分析。中国が台湾を侵攻する隙が生じる可能性があるとの見方を示した。

中国に対処するため、日本の沖縄から台湾を通りフィリピンに至る「第1列島線」の内側で戦って勝利できる統合部隊が必要だと強調。2月末までに、中国との戦いに備えた主要な取り組みを報告するよう要請した。緊急連絡先の更新も求めた。

国防総省のライダー報道官は27日の声明で「国家防衛戦略は、中国が国防総省にとって刻々と深刻になる挑戦であり、同盟国やパートナー国とともに平和的かつ自由で開かれたインド太平洋の維持に向けた取り組みに重点を置いていくと明確にしている」と言及した。中国への抑止力を強化する考えを重ねて示したものだ。

米軍では台湾有事を懸念する声が出ていた。米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は22年10月、米シンクタンクのイベントで中国による台湾侵攻が23年にも起きる可能性を排除できないと言及した。いつでも戦う用意があるとアピールして中国を抑止する意図とみられたが、米軍内での台湾有事への根強い懸念を映すと受け止められた。

同じころにブリンケン米国務長官も「中国は以前に比べてかなり早い時間軸で(台湾の)再統一を目指すと決意した」との見方を示していた。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、中国が27年までに台湾侵攻能力の取得を目指していると繰り返し公言している。

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