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ブラジル政府債務、20年は18%増 コロナ対策で過去最多

現金給付のため、銀行前に並ぶ市民(20年4月、サンパウロ)

【サンパウロ=外山尚之】ブラジル政府は27日、2020年末の政府債務残高が前年比17.9%増の5兆レアル(約96兆円)だったと発表した。新型コロナウイルスの感染を受けて財政支出を拡大したことで、増加額は過去最大だった。野放図な財政出動は通貨安を招き、物価上昇でさらに景気を下押しする悪循環になりかねない。

経済省国庫管理局によると、債務は前年末より7610億レアル増えた。1年間の増加額は統計を取り始めた2004年以降で最大だった。ボルソナロ政権による現金給付策が主因だ。低所得者や失業者向けに、最低賃金の60%にあたる月600レアルを配った。のちに半額に縮小したものの、年末まで全国民の3割以上となる6600万人に支給した。税収も落ち込んだ。

ブラジルの政府債務はもともと高水準で、20年末で国内総生産(GDP)比で96%とされる。デフォルト(債務不履行)を繰り返すアルゼンチンと同水準だ。21年末の債務は20年末比で18%増の5.9兆レアルと政府は試算する。対GDPの債務比率は29年までに125%を超すとのシナリオもある。

ボルソナロ政権は年金支給の抑制を狙った年金改革法案を成立させるなど、財政緊縮路線だったが、新型コロナで軌道修正した。ボルソナロ氏は21年からは現金給付策はやらないと公言するが、足元の感染再拡大でサンパウロなどでは経済活動が制限されている。

失業率も高く、低所得者層らは現金給付の再開を求める。経済政策を統括するゲジス経済相は26日、再度の現金給付について「(教育など)すべてを犠牲にする必要がある」とけん制した。

ブラジルは財政と経常収支の「双子の赤字」が続き、通貨が売られやすい。通貨レアルは20年に対ドルで約2割下落し、21年も年初来で4%下落した。政府債務増加の思惑から通貨売りが加速すれば、輸入物価を押し上げ、さらに景気を冷やしかねない。

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