アルファベット純利益2.6倍 1~3月、ネット広告好調
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【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルの持ち株会社、米アルファベットが27日に発表した2021年1~3月期決算は、売上高が前年同期比34%増の553億1400万ドル(約6兆200億円)、純利益が2.6倍の179億3000万ドルだった。新型コロナウイルスの流行が追い風となり、主力のインターネット広告事業の収益が拡大した。
純利益は四半期ベースで過去最高を更新した。売上高、利益ともに市場予想を上回ったほか決算にあわせて発表した500億ドルの自社株買いも好感され、27日の米株式市場の時間外取引で株価は一時、同日終値より4%超上昇した。
主力のネット広告事業の売上高は前年同期比32%増の446億8400万ドルに増えた。このうち動画共有サイト「ユーチューブ」の広告は49%増の60億500万ドルだった。決算説明会で同社幹部は小売りやIT(情報技術)、消費財の広告が好調だったと述べた。

強化を進めているクラウドコンピューティング事業の売上高は前年同期比46%増の40億4700万ドルだった。営業損益は9億7400万ドルの赤字となり、赤字幅が縮小した。全社でも一般管理費が減ったほか新型コロナの影響で販売・マーケティング費が前年並みにとどまり、利益を押し上げた。
スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は説明会で「経済の回復が始まり、1~3月期の追い風になった」と説明した。一方、ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)は「引き続き消費者のオンライン利用が増えた影響を受けたが、こうした傾向が続くかを見極めるのにはもう少し時間がかかる」と述べた。