仮想通貨FTX、スマホ証券ロビンフッド買収検討 米報道
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【ニューヨーク=大島有美子】暗号資産(仮想通貨)の交換業大手、FTXトレーディングが、スマートフォン証券のロビンフッド・マーケッツの買収を検討していることが27日、分かった。米ブルームバーグ通信が報じた。ロビンフッドは金融引き締めの影響で取引減に苦しむ。FTXは仮想通貨以外の取引拡大を目指しており、証券のスタートアップとの提携を模索している。
買収金額や時期など詳細は明らかになっていない。報道を受け、ロビンフッドの株価は27日、前週末比で14%上昇した。
FTXのサム・バンクマン・フリード最高経営責任者(CEO)は広報担当者を通じて日本経済新聞に対し「ロビンフッドのビジネスには展望がある。彼らと提携できる可能性に期待している」と述べた。一方で「M&A(合併・買収)に関して活発な会話がなされているわけではない」とした。
5月上旬にロビンフッドが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、FTXのフリード氏は6億4800万ドル(約880億円)を投じてロビンフッド株を7.6%取得した。こうした動きから、FTXがロビンフッドへの投資を拡大するとの見方がでていた。
ロビンフッドの22年1~3月期の純営業収益は前年同期比43%減だった。4月下旬には正社員を約9%削減すると表明した。株価は低迷し、21年につけた最高値から約9割下がった水準で取引されている。
多くの仮想通貨関連企業が市場の低迷に苦しむなか、FTXは仮想通貨関連企業や周辺ビジネスとの関係を深めている。21日には仮想通貨の貸し付けを手がける米ブロックファイに2億5000万ドルの融資枠を設けたことを明らかにした。
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