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ホンジュラス新大統領、台湾と外交関係を維持 米に配慮

【メキシコシティ=清水孝輔】中米ホンジュラスで27日、シオマラ・カストロ氏が大統領に就任した。カストロ氏は大統領選で台湾と断交する考えを示したことがあるが、台湾の副総統を就任式に招待したほか、メディアに対して外交関係を維持する方針を伝えた。中国の影響力拡大を警戒する米国に配慮した形だ。

27日の就任式にはハリス米副大統領と台湾の頼清徳・副総統が出席した。日本も特派大使として宇都隆史参院議員を派遣した。カストロ氏は26日に頼氏と会談し、その後台湾のメディアに対して「台湾のホンジュラスへの支持に感謝する。我々は長年協力しており、この関係を維持したい」と述べた。

カストロ氏は2021年の大統領選で「即座に中国と外交・通商関係を結ぶ」と述べていた。方針を転換した背景には、対米関係を重視せざるを得ない事情がある。ホンジュラスは最大の貿易相手である米国に経済的に依存し、移民問題でも米国の協力を得る必要がある。

ホンジュラスの経済界は米国との関係を重視するように求めてきた。ホンジュラスの経済団体は1月下旬、「(中国と国交を結んで)米国という最大の市場をリスクにさらすべきではない」と声明を出した。ホンジュラスの中央銀行によると、中国への輸出額は20年に2470万ドルと米国の2%未満にとどまっている。

ハリス氏が大統領就任式に出席したのは不法移民対策での連携や経済協力に加えて、台湾との外交関係の維持を念押しする狙いがある。ハリス氏は27日、カストロ氏と会談し「公に選挙の結果を祝いたい」と伝えた。「米国の裏庭」と呼ばれる中米で中国の存在感が高まる中、米国は巻き返しを図っている。

米政府高官は26日、記者団に対して「台湾がホンジュラスや地域の成長に向けて果たす建設的役割に感謝し、その役割が続くと期待している」と強調した。台湾が中米に関与を続けられるように、ホンジュラスに外交関係の維持を働きかける考えを示唆した。

台湾自身もホンジュラスに外交関係の維持を求めてきた。台湾の経済部(経済省)は1月中旬、ホンジュラスから輸入する肉類や乳製品など25品目に対する関税をゼロにした。カストロ氏の就任直前に経済的なメリットを示してホンジュラスに関係の維持を働きかけた形だ。

台湾と外交関係を結ぶ国は世界で14カ国まで減っている。ニカラグアは21年12月に台湾と断交し、中国と国交を結んだ。17年にはパナマ、18年にはエルサルバドルとドミニカ共和国も台湾と断交している。米国と台湾はホンジュラスとの外交関係を維持し、中南米における「断交ドミノ」に歯止めをかけたい考えだ。

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