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NYダウ反発436ドル高、過度な引き締め懸念和らぐ

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【ニューヨーク=斉藤雄太】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比436ドル(1.4%)高の3万2197ドルだった。米連邦準備理事会(FRB)は27日、2カ月連続となる0.75%の大幅利上げを決めたが、市場は織り込み済みで売り材料にはならなかった。パウエル議長が利上げペースの加速に慎重と取れる発言をしたことで、過度な金融引き締めへの懸念がいったん和らいだ。

27日は政策金利の動向に敏感な米2年物国債利回りが低下(価格は上昇)し、一時3%を割り込んだ。米金利低下でドル安が進み、対ドルの円相場は1ドル=136円台前半と、パウエル議長の記者会見前から50銭以上の円高・ドル安が進む場面もあった。金利低下が追い風になるハイテク株が買われ、ナスダック総合株価指数の上昇率は4%強と今年最大を記録した。

FRBは27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25~2.50%に引き上げた。通常の3倍となる0.75%の利上げは景気への影響も大きいが、FOMC参加者が事前に実施を示唆してきたため、結果公表直後の市場の反応は限られた。各市場の値動きが大きくなったのは、米東部時間午後2時半のパウエル議長の会見開始後だ。

パウエル議長は今後の経済・物価指標次第で「(9月の)次回会合でも大規模な利上げが適切になるかもしれない」と述べ、さらに0.75%の利上げを重ねる可能性を示唆した。他方で「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれて、引き上げペースを緩めることが適切となる可能性が高い」とも言及した。

FOMC参加者は6月時点で政策金利を年内に中央値で3.4%まで引き上げるとの予測を示している。パウエル議長は現時点でこのペースが適切との認識も示した。年内の残り3会合で計1%の利上げが必要になる計算で、米証券ジェフリーズのアネタ・マルコウスカ氏は「9月の利上げ幅は0.5%が有力」との見方を示す。FRBは止まらぬインフレを前に利上げを加速してきたが、今後のペース減速への期待が金利の低下につながった。

会見では米経済が現時点で景気後退に陥っているとの見方を否定し、失業率の低さなど労働市場の強さを重ねて強調した。米景気を冷ましすぎずにインフレを抑える軟着陸の実現を引き続きめざす考えも示し、投資家心理が改善した。

もっとも、米国のインフレは沈静化の兆しがまだ見えず、景気や金融政策の先行き不透明感は強い。5月と6月のFOMC後の米株相場を振り返ると、結果公表の当日に大幅高になった後、翌日に引き締め懸念が再燃して急落した経緯もある。米オアンダのエドワード・モヤ氏は「インフレが低下し始めたという証拠を確認するまでリスク資産を買い進められる明確なサインは出てこないだろう」と指摘する。

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