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米成長率マイナス1.4% 1~3月、消費堅調も輸入増響く

(更新)

【ワシントン=高見浩輔】米商務省が28日発表した1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は前期比年率換算で1.4%減った。2021年10~12月期の6.9%増からブレーキがかかった。個人消費は堅調だったが、人手不足などでモノの供給が追いついていない。輸入が急増し、貿易赤字の拡大が成長率を抑える形になっている。先行きは高いインフレと、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが不安材料になる。

個人消費は2.7%増、設備投資も9.2%増といずれも前の期を上回った。住宅投資も2.1%増と堅調さを保った。主な需要項目が軒並み増加する中で7四半期ぶりのマイナス成長になったのは、GDPから差し引く輸入が17.7%増と急増したためだ。輸出は5.9%減だった。前の期に在庫投資が急増した反動も出た。

市場関係者による実質成長率の事前予測はプラス1.0%だった。公表結果はこれを下回ったが、内容は米経済の堅調さを裏付けるものだった。

米国は3月の消費者物価上昇率が約40年ぶりの高水準となった。インフレが続いているにもかかわらず、1~3月のGDPで実質個人消費は強かった。ガソリン高でほかの消費が抑えられている面はあるが、セントルイス連銀が物価の上昇を除いたベースで算出する「実質小売売上高」をみても、1~3月期は前期比で2%近い伸びを維持していた。

この需要の伸びに供給が追いついていない。労働参加率は3月時点で62.4%。20年2月の63.4%から4月の60.2%に急落して以降、2年かけてまだ3分の2しか回復できていない。首都ワシントンでは多くの衣料品店が求人広告を掲げたままだ。

米経済の供給制約は根強い。米サプライマネジメント協会(ISM)によると、3月の「入荷遅延指数」は65.4となり、中立となる50を大幅に超えた。ピークの21年5月(78.8)に比べれば縮小したものの、依然として指標の水準は高い。3月は18業種のうち15業種で入荷の遅れが発生しているといい、衣料や機械、化学や食料など幅広い分野で部品や原材料の納入が遅延している。

人手不足で供給が足りない状況を、米国は輸入を増やして補おうとしている。2月の輸入額は2643億ドル(約34兆円)で過去最大を更新した。消費財の伸びが大きい。輸入先別に前年同月からの増加幅をみると中国が突出し、隣国のカナダやメキシコが続く。輸出はウクライナ危機で影響を受ける欧州向けなどが振るわない。

今後、先行きが懸念されているのは住宅だ。FRBによる利上げと量的引き締めの表明を受け、住宅ローン金利が急騰している。3月の新築住宅販売は前月比8.6%減った。建築許可が下りているのに未着工の物件も多い。建築着工件数はまだ増えているが、先行きは鈍るとの見方が多く、住宅株はすでに下落している。

FRBはインフレの抑制に主眼を置いており、利上げをさらに加速する見通しだ。5月3~4日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮に加えて、通常の倍となる0.5%の利上げが予想されている。

急速な利上げが将来の景気後退を呼び込むと警戒する声も市場では強まっている。堅調な個人消費に水を差さないように、インフレ圧力は弱めなければならない。一方で景気後退に陥るほど経済を冷やすのは避けるという、難しい政策運営が求められている。

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