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FRB議長、早期の緩和縮小を否定 「景気回復は緩やか」

(更新)

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決めた。財政出動による景気回復で市場には早期の緩和縮小論があるが、パウエル議長は雇用情勢の厳しさを指摘して「時期尚早だ」と否定した。長期の金融緩和を改めて強調し、金利上昇など予期せぬ混乱を避けたい考えだ。

26~27日のFOMCでは、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を、0~0.25%のまま据え置いた。20年3月に再開した量的緩和政策も、当面は米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)も同400億ドルのペースで買い入れる。パウエル議長ら投票メンバー11人の全会一致で決めた。

会合後に記者会見したパウエル議長は「新型コロナウイルスの再拡大で、景気回復のペースは緩やかになっている」と指摘した。足元では飲食店などの営業制限が再び強まり、20年12月の雇用統計では就業者数が8カ月ぶりに減少に転じている。大型の財政出動やワクチンの普及で米景気には回復期待があるが、パウエル議長はあえて景気への警戒感を強調した。

金融政策面でも「雇用が最大になり、インフレ率が緩やかに2%を超えるよう目指す」と改めて主張し、目標達成まで「強力な支援を続ける」と述べた。FRBは2%のインフレ率の達成を政策目標とするが、当面の運営指針では緩やかな物価の過熱を容認する。市場はゼロ金利の解除は早くても23年とみている。

もっとも、市場は「年内にもFRBが量的緩和の縮小に転じる」と織り込み始めた。国際通貨基金(IMF)は財政出動で21年の米経済成長率が5%台に上昇すると予測。FOMC内にも想定を上回る早期の景気回復で「21年中に量的緩和の縮小議論を始めるべきだ」(ダラス連銀のカプラン総裁)との声がある。

パウエル氏は量的緩和の縮小論についても「検討するのは時期尚早だ」と否定し、市場の観測を強く打ち消した。08年の金融危機後の量的緩和政策でも、市場に早期の縮小観測が浮かんで長期金利が一時急上昇したことがある。緩和の「出口」で市場が混乱すれば景気回復そのものが遅れかねず、FRBは細心の政策運営が必要になる。

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