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米議会占拠の調査委が始動、初の公聴会 中間選挙へ攻防

リズ・チェイニー下院議員(左)は共和党議員ながら下院特別委員会に参加した=AP

【ワシントン=永沢毅】1月におきたトランプ前大統領の支持者による米連邦議会占拠事件を調査する下院特別委員会は27日、初の公聴会を開いた。警備にあたった警察官ら4人が証言に立ち、実態を赤裸々に語った。調査を主導する民主党はトランプ氏の責任を追及する方針で、2022年秋の中間選挙をにらんだ与野党攻防の焦点の一つとなる。

「護衛にあたりながら、自分はこうやって死んでいくのかと思った」。証言者の一人は多数の暴徒との衝突で呼吸がままならなくなった恐怖をこう証言した。黒人の警官は黒人を蔑視する差別的な言葉を投げかけられたことを明かした。

特別委は民主党議員7人と、トランプ氏と対立するリズ・チェイニー氏ら共和党の議員2人の計9人でつくる。ペロシ下院議長(民主党)は共和党が提案したトランプ氏に近い議員の選任を拒否し、共和党執行部の了解を得ず「反トランプ」のチェイニー氏らを起用した。共和議員を加えたことで超党派を装うが、実態は民主党が取り仕切る。

調査で民主党が狙うのはトランプ氏の責任を明らかにすることだ。上院が6月にまとめた占拠事件に関する報告書は警備体制に不備があったと指摘したが、同氏の責任には触れなかった。

「私たちの民主主義を奪おうとした暴徒はウソに突き動かされていた」。調査委トップを務めるトンプソン委員長(民主党)は公聴会でこう指摘した。今後は強制力のある召喚状を活用し、トランプ氏ら事件当時のホワイトハウス関係者の招致も辞さない構えを示す。

民主党はトランプ氏が繰り返した「大統領選で不正があった」との主張が支持者をあおり、事件の伏線になったとみる。トランプ氏は発生直前、ホワイトハウス近くで大統領選の結果への抗議集会で議会占拠を扇動するかのような発言までしていた。「誰もが『俺たちをここに送ったのはトランプだ』と言っていた」。証言者の一人はこう語った。

チェイニー氏らごく一部をのぞき、共和党の大半はトランプ氏の責任の所在に目をつむっている。中間選挙の勝利には共和党支持層で高い求心力を保つ同氏の協力が不可欠とみるためだ。「誰も信用しないいかさま報告書ができることになる」。共和の下院トップ、マッカーシー院内総務は27日、民主主導の調査委の体制をこう一蹴した。

占拠事件は1月6日に大統領選で民主党のバイデン大統領勝利を認定する上下両院合同会議を開いていたさなかに発生し、死者5人、負傷者150人以上をもたらす大惨事となった。米メディアによると、警官への暴行や施設破壊などの罪でこれまでに540人以上が訴追され、23人が有罪となった。

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