バイデン氏、政権の要「首席補佐官」の交代発表

【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は27日、クレイン大統領首席補佐官が退任し、後任にホワイトハウスで新型コロナウイルス対策調整官を務めたザイエンツ氏を起用すると発表した。政権の要となる重要ポストで、2024年大統領選への再選出馬に意欲を示すバイデン氏を支える。来週に就任する予定だ。
バイデン氏は声明で、ザイエンツ氏が担当したコロナワクチン普及などを念頭に「政府内の最も困難な問題に取り組んでいるのを見てきた」と評価した。「すべての国民のために機能する経済を強化するという私が最も重視している点を分かち合っている」と強調した。
ザイエンツ氏は米デューク大を卒業後、民間企業の経験が長い。経営コンサルタントを経て、オバマ政権で初めて政府職員になった。ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)や国家経済会議(NEC)などの要職を歴任し、バイデン氏が当選した20年大統領選で陣営に参画した。
21年1月にバイデン政権が発足した直後からコロナ対応を指揮するコロナ対策調整官を務め、22年4月に退いていた。現在56歳。
大統領首席補佐官は連邦政府を統括するホワイトハウスの運営を取り仕切り、大統領の長年の側近が就くケースが多い。退任するクレイン氏は学生時代に上院議員だったバイデン氏と知り合い、議会スタッフや副大統領の首席補佐官などとして計36年にわたって仕えた。
ザイエンツ氏はバイデン氏がオバマ政権で副大統領だった当時からの付き合いで、クレイン氏ほど深い関係にない。バイデン氏は27日の声明で、自身の政権移行チームの共同議長を務めた経緯に触れ「ジェフ(・ザイエンツ)のおかげで(政権)初日から多様性に富んだチームを編成し、仕事に取りかかることができた」と記した。
米メディアはザイエンツ氏が政策調整を中心に取り組む一方、バイデン氏は大統領顧問ら他の側近に再選に向けた選挙戦略を任せる役割分担を想定している可能性があると伝えている。
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