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米の議席配分見直し、中間選挙で共和党に追い風

国勢調査を反映、民主地盤の州で定数減

人口増加の鈍化はバイデン米大統領が重視する中国との競争にも影響を与える可能性がある=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米国勢調査局が26日に発表した2020年の米国勢調査に基づき、22年以降に米国の選挙地図が塗り替わる。米連邦議会の下院と大統領選の選挙人数の各州の配分が見直され、下院の議席定数は南部テキサスなど野党の共和党が地盤とする州で増える。全体としては22年の中間選挙に向けて、共和党に追い風となる公算が大きい。

「新たな配分が共和党による下院の過半数の奪回を後押しすることになりそうだ」。米バージニア大政治センターは26日、国勢調査を受けた議席定数配分の変更により、共和党が22年中間選挙で下院で2議席を増やす可能性があると指摘した。米選挙アナリストのデビッド・ワッサーマン氏も同様の見方を示した。

下院の議席数(定数435)は州の人口に基づいて割り当てられる仕組みだ。早ければ22年中間選挙から適用される。今回も人口の伸び率が3~4%にとどまる北東部と中西部の州で議席定数が減り、伸び率が9~10%台と高い南部と西部が増える中長期的な傾向に沿う結果となった。

増加するのは南部と西部の6州で、南部テキサスが2議席、同フロリダや同ノースカロライナなど5州は1議席ずつ増える結果となった。テキサス、フロリダ、ノースカロライナは20年大統領選でいずれも共和党のトランプ前大統領が制した。

減少するのは7州で、西部カリフォルニアや東部ニューヨーク州など民主党が地盤とする州を中心に1議席ずつ減る。カリフォルニアの減少は初めてで、ニューヨークは人口があと89人多ければ議席を減らすことはなかった。

下院で民主党は218議席と過半数を確保しているが、共和党との差は6議席にすぎない。今後は定数配分の変更に加え、選挙区の区割り変更も共和党に追い風になる見通しだ。選挙区の区割り作業は21年後半以降に本格化する。その権限は州議会にあるケースが大半で、共和党が州議会を主導するテキサスやフロリダなどで自らに有利に働くように作業を進めるのは確実とみられている。

ただでさえ新大統領が初めて挑む中間選挙では与党が苦戦するケースが多かった。バイデン政権にはとりわけ厳しい戦いとなることが予想される。オバマ元大統領は10年中間選挙で下院で歴史的な惨敗を喫し、過半数割れを余儀なくされた。

もっとも、事前にはテキサスやフロリダへの議席の増加がより大きくなるとの見方もあった。「もっと私たちが期待できる内容と思っていたのに」。共和党の下院トップ、マッカーシー院内総務は米メディアに対して失望感を隠さなかった。

各州の下院議席の数は大統領選の勝敗を左右する選挙人の数と連動している。下院の選挙は区割りによって議席が大きく変動するが、ほとんどの州で1票でも多く獲得した候補がすべての選挙人を得る仕組みを採用している大統領選に区割りは関係ない。

とりわけ近年の南部や西部州での人口増加は、ニューヨークなどリベラルな州からの若者の移住やヒスパニック系の移民がけん引している。彼らは民主党を支持する傾向があり、テキサスなどでの共和党の優位は過去のように盤石とはいえなくなっている。

昨年の大統領選での選挙人投票の得票数は、バイデン氏は306、トランプ氏は232だった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、24年の大統領選で各州での勝敗が20年の選挙と同じだった場合の選挙人得票数は民主党候補が303、共和党候補が235になると報じた。

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