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スマホが身分証・カギに AppleやGoogleが次期OS

WWDCの基調講演に登壇したクックCEO

アップルやグーグル、マイクロソフトの米IT(情報技術)大手が年内に配信する次期OS(基本ソフト)が出そろった。スマートフォンが自動車のカギや身分証代わりになり、現金に続きカギやIDの「レス」化が加速する。スマホの機能集約にはセキュリティーリスクもはらんでいる。

「物理的な財布から完全に解放されるためには、もうひとつ必要なものがある。それが身分証だ」。アップルのジェニファー・ベイリー副社長は6月に開いた開発者会議「WWDC」で、スマートフォン「iPhone」の新機能を強調した。

今秋に配信を始める「iOS15」では、「ウォレット」と呼ぶiPhone向けのアプリでまず米国の一部の州において運転免許証をスキャンして取り込めるようにする。身分証のデジタル化には高いセキュリティー機能が求められるが、アップルは決済サービスなどで実績のある「セキュアエレメント」と呼ぶ暗号処理回路を使うことで各州政府などの承認を得た。

グーグルも身分証などをデジタル化してアンドロイド端末上で持ち運べるようにする構想を示している。仏電子機器大手のタレスなどとセキュアエレメントの普及に向けた企業連合を設立した。将来は生体認証技術を使ったIC旅券(パスポート)などもスマホに取り込む考えだ。

スマホが車のカギの役割も担う。独BMWなどの自動車大手は21年後半から無線技術を使ってiPhoneが車のデジタルキーになる新型車の出荷を始める。対話アプリを使ってデジタルキーを家族や友人と共有することもできる。グーグルも秋に配信を始める新OS「Android(アンドロイド)12」で同様の技術を使った車のデジタルキーに対応する。

OSの垣根を越えてアプリやサービスを利用できる動きも相次ぐ。マイクロソフトは次期パソコン向けOS「Windows(ウィンドウズ)11」でグーグルのアンドロイド向けのアプリをパソコン上で利用できるようにする。アップルはビデオ通話アプリでアンドロイドやウィンドウズの端末からでも通話に参加できるようにする。

立教大学の田中道昭教授は「各社はクラウドに吸い上げる情報を制限するなどプライバシー保護に努めているが、セキュリティーのリスクはつきまとう」と指摘する。機能集約にはさらなるセキュリティー強化も必須となる。(シリコンバレー=白石武志、下野裕太)

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