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NPT会議決裂 ロシアが合意拒否、米欧日は非難

【ニューヨーク=白岩ひおな】世界191カ国・地域が参加する核拡散防止条約(NPT)の再検討会議は最終日の26日、最終文書案を採択できずに決裂して閉幕した。ロシアが最後まで合意を拒否したことに、米欧や日本などから非難が相次いだ。核軍縮や核不拡散、原子力の平和利用を目指すNPT体制は揺らぎかねない状況だ。

再検討会議はニューヨークの国連本部で約1カ月にわたって議論を続けてきた。NPTは米国やロシアなど5カ国に核兵器の保有を認める一方、核軍縮交渉を義務付けている。その他の締約国には核兵器の開発や取得を禁じる。

原則5年おきに開く再検討会議で核軍縮の進展や核拡散を防ぐ仕組みなどを点検する。新型コロナウイルスの感染拡大で延期が続き、2015年以来の開催となった。

核リスクの低減、保有数の透明性向上などの目標や行動計画などを盛り込んだ最終文書案は全会一致(コンセンサス)による採択が原則だ。前回会議も最終文書を採択できておらず、2回連続の決裂は1970年の条約発効後で初めてだ。

ロシアは26日の会合の数時間前に、同国が占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所に関する記述など5カ所の文言の修正を求めた。ロシアの代表は修正がなければ「採択には応じられない」と明言した。

米国のシャインマン米大統領特別代表(核不拡散担当)は「きょう、コンセンサスが得られないのはロシアの責任だ」と述べた。そのうえで「ウクライナを地図上から消し去ろうとするロシアの明白な意図を隠蔽するものだった」と厳しく批判した。

ウクライナの代表は「ロシアの孤立が浮き彫りになった」と非難した。日本の武井俊輔外務副大臣は「ロシアの反対で合意が得られず残念だ」と述べた。日本や米国、英国、フランスなど55カ国と欧州連合(EU)はロシアのザポロジエ原発への干渉・支配の拡大を非難する共同声明を発表した。

核兵器禁止条約の締約国や非政府組織(NGO)からも落胆の声があがった。オーストリア外務省のクメント軍縮局長は「再検討会議の失敗が警鐘となることを望む」と訴えた。クメント氏は同国が主導し、2021年に発効した核兵器禁止条約の初の締約国会議の議長を務めた。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務局長は「核保有国が核の脅威の下で非核保有国を侵攻し、核軍縮の具体的な約束をしない現状では、NPTの重要性は薄れていくだろう」とクギを刺した。

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