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破綻のSVB、米中堅地銀ファースト・シチズンズが買収

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【ニューヨーク=大島有美子】米連邦預金保険公社(FDIC)は26日、経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)について、米東部ノースカロライナ州地盤の銀行持ち株会社、ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズグループが買収することで合意したと発表した。FDICは競争入札でSVBの引受先の選定を進めていたが難航し、中堅地銀が引き受けることとなった。

持ち株会社の傘下に中堅地銀ファースト・シチズンズ・バンクを持つ。1898年創業で、全米21州に500超の支店網を持つ。米連邦準備理事会(FRB)によると、2022年末の総資産は1091億ドル(約14兆円)で、全米で30位だった。

ファースト・シチズンズによると、SVBのローン約720億ドルを含む1100億ドルの資産と、預金など936億ドルの負債を引き受ける。資産を約165億ドル割り引いて購入することとなる。FDICはファースト・シチズンズ社の普通株の評価権も取得する。商業ローンについては、SVBを管理するFDICとファースト・シチズンズの間で損失を分担する契約を結んだ。

SVBの資産を継承した「ブリッジバンク」の17の支店は、27日にファースト・シチズンズの店舗として開業する予定だ。SVBの名前は残す見通し。

SVBはテック関連のスタートアップとの取引が多く、米西海岸シリコンバレーのエコシステムの中核を担っていた。保有する債券で損失を計上したことで経営不安が広がり、スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)など預金者が一斉に預金を引き出した。資金繰りに行き詰まり10日に破綻し、FDICの管理下に入っていた。

FDICはSVBの破綻後すぐに入札を始めたが、大手銀や地銀大手は手を挙げなかったもよう。20日に入札の締め切りを24日まで延長し、引き受け手探しを進めていた。FDICはSVB破綻に伴う預金保険基金の負担を約200億ドルと見積もっている。

12日に経営破綻したニューヨーク州地盤のシグネチャー・バンクの預金と資産の一部は、同じNY州地盤の銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が引き受ける。

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シリコンバレー銀行破綻

米テクノロジー企業への融資で知られ、米西海岸シリコンバレーのエコシステムの中核を担ってきたシリコンバレーバンク(SVB)が2023年3月10日、経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。関連する記事をお読みいただけます。

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