川上未映子さん受賞逃す 英ブッカー国際賞

【ロンドン=共同】世界的に権威がある英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門「ブッカー国際賞」が26日発表され、最終候補の6作品に残っていた作家川上未映子さんの小説「ヘヴン」は受賞を逃した。受賞したのはインドの作家の作品だった。
日本で2009年に刊行された「ヘヴン」は21年に英訳が出版された。ブッカー賞の主催団体は受賞者発表に先立ち「執拗ないじめを受ける14歳の少年の目を通し、10代につきまとう暴力の脅威を描いた記憶に残る小説」と評価していた。
最終候補には川上さんのほか、韓国やインド、ノルウェーなどの作家の作品が選ばれていた。日本での出版元の講談社によると、日本人の作品が最終候補に選ばれたのは20年の小川洋子さんの小説「密やかな結晶」に続き2作目。
英国かアイルランドで出版された作品のうち、英語で書かれた作品に贈られるブッカー賞に対し、ブッカー国際賞は英語への翻訳作品が対象。
川上さんは1976年、大阪市生まれ。これまでに芥川賞や谷崎潤一郎賞などを受賞している。