米軍、ソマリアの「イスラム国」指導者殺害 急襲作戦で

【ワシントン=中村亮】オースティン米国防長官は26日の声明で、ソマリアにおける過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者を殺害したと発表した。25日にソマリア北部で急襲作戦を実行した。米軍のアフガニスタン撤収後も世界でテロ対策を緩めていないとアピールした。
オースティン氏は声明で、殺害した指導者に関し「アフリカでISの勢力を拡大させてアフガンを含む世界でのISの活動に資金提供してきた」と指摘した。急襲作戦をめぐり「米国やパートナー国がより安全になり、米国民を国内外のテロの脅威から守る我々の揺るぎない約束を反映した」と強調した。
米政府高官は26日、記者団に急襲作戦で指導者以外に約10人のIS関係者を殺害したと説明した。米兵や一般市民に死傷者は出なかったと言及した。バイデン米大統領が今週に作戦実行を承認したという。
バイデン政権は米軍のアフガン撤収を実行したが、イスラム主義組織タリバンの復権を許した。米国はタリバンの一部が国際テロ組織アルカイダと緊密な関係を維持しているとみる。米国が中国やロシアとの競争に重点を移し、中東やアフリカでの対テロ対策が手薄になるとの懸念が根強い。