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カナダ中銀、量的緩和を終了 景気回復・インフレ加速で

(更新)

【ニューヨーク=斉藤雄太】カナダ銀行(中央銀行)は27日、新型コロナウイルス対応で始めた量的緩和政策を終了すると発表した。これまでは週20億カナダドル(約1840億円)のペースで国債を購入していたが、保有残高を維持するための再投資分以外の新規購入は止める。景気の回復に加え物価の上昇圧力が強まっているのを踏まえた措置で、金融政策を正常化する動きが先進国中銀にも広がっている。

政策金利である翌日物金利の誘導目標は0.25%で据え置いた。物価の安定に十分な経済状態になるまで現在の低金利を維持する方針で、2022年中ごろにそうした環境が整うとの見通しを示した。22年後半にも利上げする可能性を示唆した。金融市場では利上げ前倒しの思惑から一時、短中期のカナダ国債の利回りが上昇(価格は下落)し、カナダドルが対ドルや円で買われた。

カナダ中銀のマックレム総裁は同日の記者会見で「経済が再び力強く回復しており、もはや量的緩和は必要ないと判断した」と語った。22年半ばごろとする経済の回復時期は7月時点の予測(22年後半)よりやや早まったとしつつ、コロナの影響が残るため「不確実性は高い」とも付け加えた。

カナダ中銀は新型コロナの感染拡大で悪化した経済を支えるため、20年春に量的緩和を始めた。当初は週50億カナダドルのペースで国債を購入していたが、景気の持ち直しとともに段階的に購入額の縮小を進めてきた。

カナダの消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が9月に4.4%と03年2月以来、約18年半ぶりの高水準になった。カナダ中銀の物価目標は2%で、1~3%の範囲内に収めることをめざすが、6カ月連続で3%を超えて推移する。

カナダ中銀は声明文で、インフレの背景にあるエネルギー高や供給制約が「想定していたより強く持続的にみえる」と指摘した。高インフレが定着しないよう、人々の物価予想や人件費の動向を注視する考えを示した。マックレム総裁は「インフレが落ち着くまで多少時間がかかるとしても、今日のような高水準でとどまることはない」と強調し、物価を安定させるための政策運営に努めると訴えた。

世界的にインフレ長期化への警戒が強まり、利上げを急ぐ新興国に続いて先進国でも金融緩和を見直す動きが相次いでいる。韓国やノルウェー、ニュージーランドは利上げに踏み切った。米連邦準備理事会(FRB)は11月初旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小(テーパリング)開始を決める見通しで、市場では22年の利上げ予想が広まっている。

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