2月の「侵攻1年」、バイデン氏が欧州訪問検討 米報道

【ワシントン=坂口幸裕】米NBCテレビなどは26日、バイデン米大統領が2月に欧州訪問を検討していると報じた。2月24日にロシアによるウクライナ侵攻から1年となる節目で、米欧が結束してウクライナを支援する姿勢を示す狙いがある。隣国ポーランドなど複数箇所を訪れる見通しで、現時点でウクライナに立ち寄る可能性は低いと伝えた。
訪欧時に、バイデン氏がウクライナへの大規模な追加の軍事支援を発表する案が取り沙汰される。米国はドイツなどと足並みをそろえ、ロシアの占領地奪還をめざして主力戦車「エイブラムス」31両の供与を決めたばかりだ。現地で演説する案も浮上している。
米CNNによると、米政府関係者は「2月の訪欧に合わせてウクライナに行く可能性は極めて低い」と話した。選択肢にあがるポーランドはウクライナの隣国で、侵攻後に米軍を増派した東欧防衛の要衝だ。ウクライナ軍の訓練を実施しているほか、米欧が提供した武器輸送の拠点でもある。
2月中旬には各国の首脳らが安全保障問題を話し合うミュンヘン安全保障会議をドイツで開く。米国からは昨年と同じハリス副大統領が出席する予定で、同盟・有志国と対ロシア政策やウクライナ支援などをすり合わせる。
バイデン氏は侵攻開始後、すでに2回訪欧した。2022年3月にベルギーで開いた北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)、主要7カ国(G7)の首脳会議にそれぞれ出席し、ポーランドも訪れた。同年6月にはドイツでのG7サミットとスペインでのNATO首脳会議に参加した。

アメリカの「バイデン政権」に関する最新ニュースを紹介します。その他、日米関係や米中対立、安全保障問題なども詳しく伝えます。