米ボーイング、最終赤字4800億円 大統領専用機の費用増

【ヒューストン=花房良祐】米航空機大手ボーイングが26日発表した2022年7~9月期決算は、最終損益が33億800万ドル(約4800億円)の赤字だった。赤字幅は前年同期の25倍に膨らんだ。供給網の寸断などで大統領専用機「エアフォースワン」や空中給油機といった防衛部門の費用が増大している。
売上高は4%増の159億5600万ドルだった。営業キャッシュフローは31億9000万ドルの黒字に転換(前年同期は2億6200万ドルの赤字)した。
同社の大型ジャンボ機747をベースに製造する大統領専用機を巡っては、トランプ前大統領に値下げを迫られた経緯もあり、開発・生産費用が契約額を上回る状態に陥っている。7~9月期は防衛部門で27億9800万ドルの損失を計上した。
商用機部門は回復傾向にある。国内線を中心に新型コロナウイルス禍から旅行需要は復活しつつあるためだ。デビッド・カルフーン社長は同日のアナリスト向け説明会で「(旅客の)需要はとても強い。中国以外のすべての地域で(航空便の)予約は増加している」と述べた。
製造品質問題に揺れていた中型機787の納入を8月に再開したほか、小型機737MAXも好調。7~9月期に前年同期に比べ約3割増の112機を納入した。