モービルアイ上場、時価総額3.3兆円 22年米国IPOで最大 - 日本経済新聞
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モービルアイ上場、時価総額3.3兆円 22年米国IPOで最大

(更新)

【ニューヨーク=竹内弘文、シリコンバレー=佐藤浩実】自動車向け半導体などを手がけるイスラエルのモービルアイが26日、米ナスダック市場に上場した。同日終値は28.97ドルとなり、公開価格(21ドル)を4割近く上回った。時価総額は約230億ドル(約3兆3600億円)となり、今年の米国上場銘柄として最大となった。

モービルアイは運転支援のための画像処理半導体やソフトウエアを手がけ、自動運転の関連銘柄の一つとなる。ティッカーシンボルは「MBLY」。50社あまりの自動車・部品メーカーと協業しており、2021年の売上高は前年比43%増の13億8600万ドルだった。

同社は以前も上場していたが、17年に米半導体大手のインテルが153億ドルで買収した経緯がある。再上場はインテルが主力事業に投資を振り向けやすくするための戦略の一環でもある。同社は種類株の保有を通じて、今後もモービルアイの支配権を維持する。

インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は26日に投稿したビデオで「モービルアイの価値はこれまでインテルの傘に隠れていた。新規株式公開(IPO)により、価値を目立たせられる」と強調した。上場企業となることで、人材も集めやすくなるとみている。

もっとも、再上場計画を公表した21年末時点では、モービルアイの企業価値は500億ドル超とみられていた。22年に入って株式市場を取り巻く環境が一変し、評価額の大幅な引き下げを余儀なくされた。自動運転に対する期待も薄れた。上場に伴う調達額は8億ドル程度と、時価総額に比べて小ぶりだった。

米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めや景気後退懸念の高まりにより、米国のIPOの環境は冷え込んでいる。リフィニティブのデータによると22年初めからの調達額は累計で約300億ドルと、21年通年の1割弱にとどまる。

米メディアの報道によると、上場が近いとみられていた米宅配代行サービス大手インスタカートは年内の上場を断念した。このままのペースなら米国における22年のIPO調達額は6年ぶりの低水準となりそうだ。

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