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Microsoft、好決算支えたゲーム機刷新 継続がカギ

【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトの四半期売上高が2020年10~12月期に400億ドル(約4.1兆円)を突破した。クラウド事業の成長に加え、7年ぶりに刷新したゲーム機「Xbox」が全体を押し上げた。ただゲーム事業は新たな競合の参入も相次ぐ。ハードの世代交代に伴う一過性の拡大にとどめず、プレーヤーとの関係を深められるかが焦点となる。

「Xboxの歴史で一番の成功だ」。マイクロソフトが26日に開いた決算会見で、サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は11月に発売した新型ゲーム機についてこう述べた。2機種を出した10~12月期はハードの販売額が9割近く拡大し、ソフトや関連サービスも4割増えた。ゲーム事業の売上高は前年同期を51%上回り「四半期で初めて50億ドルを上回った」(ナデラ氏)。

マイクロソフトの10~12月期の売上高は430億ドル。ゲーム事業の比率は1割強にすぎないが、同社にとって特別な意味を持つ。消費者と接点を持てる数少ない事業で、主力のクラウド技術を応用できる分野だからだ。一時は撤退観測もあったが、ナデラ氏が14年にCEOに就任後、てこ入れを進めてきた。

ナデラ氏は会見で、約100種のゲームが遊び放題になる「ゲームパス」の会員数が1800万人に達したと明かした。20年4月と比べて800万人、9月からでも300万人の上積みとなった。オンライン対戦ができる「Xboxライブ」の利用者は月1億人に上る。

マイクロソフトはXboxの世代交代に合わせてディスクドライブのない廉価な機種を用意し、ゲームパスなどとの併用を勧めていた。パス会員の増加は戦略が奏功し、継続的に料金を払ってゲームを楽しもうとする人が増えていることを示す。

課題も浮上した。エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は「ハードの需要が供給を大幅に上回っている」と漏らした。新型コロナウイルス下の「巣ごもり」需要で発売月の販売台数が過去最多になった一方、店頭ですぐに購入できず不満をためたゲーム愛好家も少なくない。

ハードの品薄は、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の半導体など調達部品の不足という要因もある。半導体不足はすぐには解消しない見通しで、その間にも競争相手の裾野は広がっている。

米アマゾン・ドット・コムは20年9月、専用機を必要としないクラウドゲームへの参入を表明した。現時点で直接競合する場面は少ないものの「遠隔地のサーバーと通信しているとは思えないスムーズな操作感だ」と米国の利用者は指摘する。米グーグルも同様のサービスを開始済みだ。

マイクロソフトでゲーム事業を統括するフィル・スペンサー上級副社長は「プレーヤーを中心に事業を展開できる企業が選ばれる」と話す。20年秋に人気ソフト「Fallout」を手掛ける米ベセスダ・ソフトワークスの親会社を75億ドルで買収すると決めたのも、ソフトを通じてゲーマーと継続的な関係を築きやすくするためだ。

1月下旬にはプレーヤーとの接点をめぐり、ひと騒動も起きた。マイクロソフトがオンライン対戦用サービスの値上げを表明したところ、プレーヤーたちが「恣意的な価格改定だ」と激怒したのだ。マイクロソフトはすぐに値上げを取り下げ謝罪した。

ゲーム事業がハードやソフトの売り切りで終わる時代は過ぎ去りつつある。様々な接点を通じて、利用者と継続的な関係を築いていけるか。10~12月期に50億ドルを超えた事業売上高が今後どう推移するかは、プレーヤーの要望にきめ細かく対応し続けられるかにかかっている。

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