Amazon、10月に米国などで会員向けセール 今年2回目

【シリコンバレー=白石武志】米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは26日、10月11~12日に米国など15カ国で有料会員向けセールを催すと発表した。同社は例年夏場に約20カ国で同様のセールを実施しており、年2回の開催は初めてとみられる。新型コロナウイルス禍の「巣ごもり消費」の反動でネット通販事業が伸び悩むなか、大規模な特売によって年末商戦の需要を確実に取り込む狙いだ。
継続課金(サブスクリプション)型サービス「プライム」の会員向けに、「プライム・アーリー・アクセス・セール」と名付けた特売を米国やカナダ、英国、ドイツ、中国など15カ国で実施する。日本は今回の対象国に含まれない。
アマゾンはセール期間中、自社のネット通販サイト上で自社ブランドのテレビやスマートスピーカーなどのハードウエア製品を大幅に割り引く。クリスマスのギフトに最適なおもちゃや電子機器などの人気ブランドの商品もお得な価格で提供するという。
歴史的なインフレに直面する米消費者の間では、さらなる値上がりや家計負担の集中を避けるためにホリデーシーズンの購買行動を前倒しする傾向がみられる。アマゾンは従来の年末商戦の幕開けとされてきた11月下旬の「ブラックフライデー」よりも先にセールを実施し、早めに買い物を済ませたい有料会員らのニーズを取り込む考えだ。
アマゾンの2022年4~6月期決算では直営のネット通販事業の売上高は前年同期比4%減の508億5500万ドル(約7兆3000億円)となり、3四半期連続で前年同期の実績を割り込んだ。同社は22年の物流施設や輸送網への投資額を前年比で約3割減らすなどの対応を余儀なくされている。
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