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バイデン氏、短距離弾も「違反」 対北朝鮮で前政権と一線

北朝鮮の金正恩総書記はミサイルの性能向上を急ぐ=ロイター

バイデン米大統領は25日の記者会見で、北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射を「国連安全保障理事会の決議に違反する」と批判した。日本が射程に入る短距離ミサイルを問題視する姿勢をみせなかったトランプ前大統領とは一線を画し、日本との協調を重んじる姿勢を鮮明にした。

北朝鮮の公式メディアは26日、低高度で変則的な軌道を飛ぶ25日の新型弾道ミサイルの発射を報じた。「朝鮮半島に存在する各種の軍事的脅威を抑制することに大きな意義がある」と李炳哲(リ・ビョンチョル)朝鮮労働党書記は述べ、在韓米軍や韓国軍が標的との認識を示した。

今回は迎撃が難しい「北朝鮮版イスカンデル」の改良型とみられる。弾頭重量を2.5トンに増やし、固体燃料型エンジンを使用したという。600キロメートル沖の日本海上に設けた目標を正確に打撃したと主張し、ミサイルの能力向上を誇示した。韓国の専門家は「弾頭2.5トンの威力なら、核ミサイルでなくても韓国の原子力発電所を破壊できる」(慶南大の金東葉教授)と分析する。

「もし事態をエスカレートするなら相応の行動をとる」。バイデン氏はホワイトハウスでの記者会見で北朝鮮に警告した。21日の短距離ミサイルは挑発行為ととらえなかったバイデン氏も、今回は問題視する姿勢をみせる。あらゆる種類の弾道ミサイルの発射や計画の停止・廃棄を求めている国連安保理決議1718号に違反しているからだ。

トランプ氏は米本土を射程にいれる大陸間弾道ミサイル(ICBM)は米国の直接の脅威ととらえ、北朝鮮が発射実験をした際は声高に非難していた。後の米朝首脳会談を通じ、金正恩(キム・ジョンウン)総書記に実験停止を約束させている。ただ、日本にとって脅威となる短距離弾道ミサイルは問題視せず、日米で温度差があった。

北朝鮮が25日に発射した短距離弾道ミサイル=朝鮮中央通信・ロイター

同盟重視のバイデン氏はこれとは違う対応をとり、日本に配慮してみせた。もっとも、北朝鮮との対話を視野に過度な批判は避けている。「外交の用意もある。非核化を最終目標にしないといけないが」。記者会見でこう述べ、北朝鮮に秋波を送った。2月から複数ルートで接触を打診したことが明らかになっている。

北朝鮮は挑発行為を小出しにし、バイデン氏がとりまとめている対北朝鮮政策を見極める構えとみられる。トランプ前政権では日米韓のすきま風が目立ち、北朝鮮はそれに乗じてミサイル発射などの挑発行為に踏み切ることがあった。対北朝鮮政策の最終調整に向けて来週にワシントンで開く日米韓の高官協議を北朝鮮は注視している。

(ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介)

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