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Google、脱「クッキー」加速 4月から広告主と試験運用

(更新)
グーグルはネット広告の効率維持との両立を目指す

【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルがインターネットの閲覧履歴などを保存する「クッキー」の利用制限に向けた取り組みを加速する。広告主と協力し、代替技術の試験的な運用を4月に始める方針だ。消費者のプライバシーに対する意識が高まるなか、ネット広告の効率維持との両立を目指す。

プライバシーなどを担当するグループプロダクトマネジャーのチェトナ・ビンドラ氏が25日、ブログを通じて代替技術の開発状況について説明した。グーグルは2020年1月、クッキーのうち消費者が閲覧しているサイトの運営企業とは異なる第三者が提供する「サードパーティー」を制限する方針を示していた。

グーグルは22年までに同社のネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」でサードパーティークッキーを利用できなくする一方、「コホートの協調機械学習(フェデレーテッド・ラーニング・オブ・コホート=FLoC)」と呼ぶ技術で代替する方針だ。プライバシー保護と効率的な広告配信を両立させることを狙う。

具体的には、ブラウザーに人工知能(AI)を活用したソフトを組み込み、利用者の閲覧履歴を分析する。この分析に基づいて好みや関心が似た数千人の利用者を「コホート(群)」としてくくり、広告主が配信先を選ぶのに使えるようにする。閲覧履歴を外部に持ち出すことを防ぎ、さらに数千人をくくって個人を特定できなくしてプライバシーに配慮するという。

ビンドラ氏によると、代替技術を使ってもサードパーティークッキーを利用した際の95%以上の広告効果が得られたという。こうした成果を踏まえ、3月にクロームを更新するのに合わせてFLoCへの対応を始める方針だ。まず同社が新たなクロームを使った試験を始め、さらに4月からは広告主の協力を得て運用を拡大する。

サードパーティークッキーはプライバシーの侵害につながるとの見方が広がり、米アップルのブラウザー「サファリ」などがグーグルに先行して利用を制限した。グーグルは収益の大半をネット広告が占める。また、クロームは世界で約6割のシェアを持ち、影響が及ぶ範囲が広範だとして利用制限に慎重な姿勢をとってきた。

代替技術の開発が進んできたことから22年にサードパーティークッキーへの対応を打ち切る方針だが、課題もある。利用制限によりネット広告市場におけるグーグルの支配力が強まるとの懸念が生じ、英国ではウェブ運営企業などの後押しを受ける形で競争・市場庁が1月初めに代替技術の調査に乗り出すと発表している。

こうした動きが示すのは、プライバシー保護という課題に対応しようとすると、反トラスト法(独占禁止法)への抵触が指摘されている米IT(情報技術)大手に依存せざるを得ないというジレンマだ。グーグルは技術の透明性を高めるほか関連企業と協力する方針を強調しており、社会の理解を得ることが代替技術を普及させる条件になる。

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