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トランプ氏、疑惑捜査は「権力乱用」「魔女狩り」と非難

【ワシントン=坂口幸裕】トランプ前米大統領は25日、南部テキサス州ウェーコで演説した。近く自身を起訴するとの見方が出ている東部ニューヨーク州検察当局などの捜査を「権力の乱用だ」と非難した。「魔女狩りだ」とも断じ、バイデン政権が司法を武器に政敵を攻撃していると決めつけた。

2022年11月に24年の次期大統領選に出馬すると表明した後、大規模な集会を開くのは初めて。トランプ氏は集まった支持者を前に「私がホワイトハウスに戻れば米国は再び自由の国となる」などと90分ほどにわたって持論を展開した。

演説では州検察などの捜査を念頭に「敵は我々を止めようと必死だ。検察の不正行為は新しい手段であり、かつてないレベルで使おうとしている」と言及した。「権力の乱用は米国史上、最も恥ずべき腐敗として語り継がれるだろう」と述べた。

トランプ氏は出馬した16年の米大統領選の直前、側近を通じて過去に不倫関係にあった女性に支払った口止め料を不正に処理した疑いがある。口止め料の支払いに関しては、トランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏が18年に選挙資金法違反などで実刑判決を受けた。

米メディアによると、起訴の是非を決めるニューヨーク州の大陪審は来週にもトランプ氏の疑惑に関する審理を開く。トランプ氏は18日、自ら立ち上げたSNS(交流サイト)に「21日に逮捕されるだろう」と書き込んだ。捜査している同州検察当局は証人の追加召喚を検討するなど、慎重に証拠固めを進めているとみられる。

米連邦捜査局(FBI)はトランプ氏が機密情報を隠蔽した疑惑などでも捜査している。スパイ活動法違反や捜査妨害の疑いがあるとみる。25日の演説では一連の当局の捜査を巡り「(24年の大統領)選挙が終われば私は大統領になる。司法制度を腐敗させている凶悪犯や犯罪者は敗北し、信用を失い、完全に恥をかく」と話した。

トランプ氏は24日にはSNSで、自身を起訴すれば「死と破壊をもたらす可能性があり、米国が破滅的になりかねない」と警告した。支持者には検察への抵抗を呼びかけており、米国に混乱を招くおそれがあると脅した。

演説ではバイデン大統領を「米国史上最悪の大統領」などと繰り返し批判した。バイデン氏は現在80歳で過去最高齢の大統領になっている。トランプ氏は「認知機能に障害があり、指導できる状態でない」と断言した。

ロシアによるウクライナ侵攻については「この戦争は第3次世界大戦になるだろう。これまでのどの世界大戦よりもはるかに壊滅的な被害をもたらす」と指摘。自らが大統領に就けば「24時間以内に和解を成立させる。第3次大戦を防ぐ」と主張した。

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