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Google、ネット広告の絞り込みで新技術 批判に対応

【シリコンバレー=奥平和行】インターネット利用者のプライバシー確保を求める声が強まるなか、米グーグルが広告の効率との両立に苦心している。これまで幅広く使われてきた「サードパーティー・クッキー」に代わる広告配信の対象を絞り込む技術を25日に発表した。2021年に公表した代替技術が十分な理解を得られなかったことに対応した。

「トピックスAPI」と呼ぶ技術を発表した。同社のネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」を使い、一人ひとりの利用者の閲覧履歴をもとに関心が高い話題を推定して選ぶ。「自動車」「旅行」などの話題から毎週5つを選定し、この一部をサイト運営企業に提供して表示する広告の内容を決める際に利用できるようにする。

話題は利用者のブラウザーが選定し、グーグルを含む外部企業のサーバーは使わない。そのため、同じ利用者が使っていてもパソコンとスマートフォンで異なる広告が表示される可能性がある。また、選定した話題の保存期間は3週間に限定するほか、利用者が確認したり消去したりできるようにしてプライバシーに配慮するという。

3月をメドにサイト運営企業などと試験を始める。反応をみながら用意する話題の数を当初の約350から増やしていくほか、技術の本格的な導入時期について決めるとしている。

サードパーティー・クッキーは広告の配信対象を絞り込むターゲティングに幅広く使われてきたが「追跡」がプライバシー侵害に当たるとの批判が高まり、グーグルは20年にクロームで対応を中止する方針を示した。一方、利用者に趣味や嗜好に合わせた広告を配信する仕組みが要るとの考えから、代替技術を開発してきた経緯がある。

21年1月にはクロームに搭載した人工知能(AI)を活用して閲覧履歴を分析し、広告配信に活用する技術を公開した。似通った趣味や嗜好を持つ利用者を数千人規模のグループとしてくくって絞り込みに活用する「コホートの協調機械学習(FLoC)」と呼ぶ技術で、プライバシー保護と広告の効率維持の両立を目指したものだった。

新技術は同年春から試験提供を始めたものの、専門家の間からは「ほかの技術と組み合わせることにより個人が特定できてしまう」などといった意見が出ていた。また、「技術が複雑で利用者が理解できない」「広告市場でグーグルの支配力が一段と高まる」といった声が上がり、英国の競争・市場庁(CMA)などが調査に乗り出していた。

トピックスAPIについて日本経済新聞などの取材に応じたグーグルのプロダクトディレクター、ベン・ガルブレイス氏は「FLoCの試験からの学びや、多く寄せられたフィードバックに基づいている」と説明した。FLoCの導入は見送る一方、23年7~9月期に予定しているサードパーティー・クッキーへの対応中止は変更しないとしている。

広告のターゲティングに使うサードパーティー・クッキーの利用制限では米アップルのブラウザー「サファリ」などが先行した。一方、グーグルは事業に占める広告サービスの比率が高いほか、サイト運営企業や広告企業の間に慎重な対応を求める声が出ていた。このため、開発途上の代替技術を公開して意見を募るなどアップルなどとは異なる対応になっている。

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