「対中国、戦略的競争と忍耐で」 米大統領報道官

【ワシントン=永沢毅】サキ米大統領報道官は25日の記者会見で、対中国政策について「中国への対応は過去数カ月と同じだ」と語り、トランプ前政権が打ち出した強硬路線は当面維持する考えを示した。そのうえで「私たちは中国と激しい競争をしている。中国との戦略的競争は21世紀を決定づける特徴だ」と述べた。
サキ氏は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が世界経済フォーラムの講演で米国との協調を訴えたことは米国の対中姿勢に影響を与えるかを問われ「それはない」と明言。「中国はこの数年、国内でますます強権的になり、対外的な主張を強めている。中国は米国の安全保障、繁栄、価値観に挑戦しており、新しいアプローチが必要だ」と述べた。
トランプ前政権の「米国第一」路線を転換し、同盟国との協調を通じて対処する方針を重ねて示した。同時に「いくらかの戦略的忍耐を持ちながら臨みたい」と述べた。サキ氏の一連の発言は超党派で合意のある対中強硬路線は維持しながらも、その手法は転換する方針を示したものだ。サキ氏はこれから同盟国や議会と対中政策を協議したり、これまでの政策を検証したりする方針を明らかにした。
「戦略的忍耐」はオバマ元政権が用いた対北朝鮮政策のキーワード。北朝鮮が非核化に向けた具体的な取り組みに動くまで交渉には応じない姿勢を意味した。これは北朝鮮に核開発を進展させる時間を与えるだけに終わった。サキ氏は当時、国務省報道官を務めていた。
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