OpenAI、ChatGPTアプリ日本で提供 AI安全対策も公募

【シリコンバレー=渡辺直樹】米新興企業のオープンAIは25日、対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」のiPhone用アプリを日本を含む30カ国以上で新たに始めたと発表した。AIを安全に使えるようにするための対策や試案を公募し、優れたアイデアには10万ドル(約1400万円)を拠出するプロジェクトも打ち出した。
チャットGPTのアプリはこれまで米国で先行して提供していた。近く米グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドのスマホにも対応する。オープンAIはチャットGPTの利用機会を増やすことで、利用者からのフィードバックを増やし改善に生かす。
同社は生成AIが不正確な回答をしたり、偏見や差別を助長したりすることを避けるための公募プロジェクトを始める。「AIが医療や法律に関してアドバイスするのはどんな条件下で許されるべきか」「AIは性的マイノリティーに関する内容を扱う場合、どういう原則に従うべきか」といった問題について、具体的な対処案を募集する。
日本時間の6月25日までアイデアを募集し、優れた10件に1件当たり10万ドルを支給する。通過者には、少なくとも500人が参加する実証試験や技術試作を経て10月までにリポートにまとめてもらう。集まった知見をサービス改善や政策提言に生かしていくとみられる。
オープンAIは今回の取り組みについて、AIがどういうルールに従うべきかの「民主的なプロセスを確立するための実験」と説明している。同社のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は16日、米議会上院の小委員会でAIのルールづくりを提言していた。
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ChatGPTは米新興OpenAIが公開した自然な文章を生成する人工知能(AI)。2022年の公開以降、質問に答えて自然な言葉で文章を生成できることで注目されています。