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米中、G20会合で外相会談見送り 中ロは結束誇示

バイデン米大統領=AP

【ワシントン=永沢毅、北京=羽田野主】米中がバイデン米政権発足後初の対面式首脳会談をにらみ、神経戦を演じている。イタリアで29日開く20カ国・地域(G20)外相会合での米中外相会談を見送った。中国は外相を派遣しない一方で、28日にロシアとのオンライン首脳協議を実施、米主導の包囲網に対抗する姿勢をにじませた。

イタリア南部マテーラで開くG20外相会合に中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は現地入りせず、オンラインで参加する。バイデン政権は10月末のG20首脳会議にあわせた初の首脳会談を視野に入れており、米中外相会談が実現すればその地ならしになると目されていた。

中国国営の新華社と、ロシア政府の発表によると、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領は28日、オンラインで協議し7月に締結20年を迎える善隣友好協力条約の延長に正式合意した。

習氏は「中ロの緊密な協力は新型国際関係の模範を打ち立てた」と述べ、ロシアとの対米結束を誇示した。プーチン氏は「中ロ関係を前例のない高みに引き上げることに成功した」と応じた。

G20外相会合は、ロシアのラブロフ外相も現地入りしない。中ロはともに、米欧との緊張を抱えるが、16日には米ロ首脳会談が先に実現するなど中国はロシアと米欧の接近を警戒する。このタイミングで中ロ首脳が協議することで、2国間の連携をアピールした。

バイデン政権は「唯一の競争相手」とみる中国を外交政策で最大の課題に据える。トランプ前政権できしんだ同盟国との関係修復を優先し、3月にはブリンケン国務長官を日韓両国に派遣した。日米豪印の「Quad(クアッド)」の初のオンライン首脳協議も開いた。

主要7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議を経て、バイデン政権は同盟関係の修復に道筋をつけたと判断した。ブリンケン氏は26日の仏メディアとのインタビューで「中国へのアプローチで(米欧は)一致点を見いだすことができた」と述べた。

米国が対中圧力を強める切り札とみるのが新型コロナウイルス起源の調査だ。「責任ある形で調査を認めなければ、中国は国際社会で孤立することになる」。サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は米メディアのインタビューで異例の強い調子で警告を発している。

G7の共同声明にも中国への協力要求を盛り込み、8月末には米情報機関による調査の最終報告もまとまる。

習近平(シー・ジンピン)・中国国家主席=ロイター

習指導部が米国とのハイレベルの接触を避けたとの見方もある。G7共同声明で確認した台湾海峡の安定や、新疆ウイグル自治区、香港の人権問題などでも攻勢にさらされる懸念があるためだ。

欧州諸国が中国への警戒で米国と足並みをそろえたのは、他国を威圧的な言動で挑発する中国の「戦狼(せんろう)外交」が失敗したからとの指摘がある。中国が現状を分析する時間を稼ごうとした可能性もある。

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