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安保理、非難決議採択できず ロシアが拒否権発動

(更新)

【ニューヨーク=吉田圭織、白岩ひおな】国連安全保障理事会は25日、ロシアによるウクライナへの侵攻は「国連憲章違反であり、最も強い言葉で遺憾の意を表する」とする決議案を否決した。非難決議案は賛成多数を確保したが、常任理事国のロシアによる拒否権発動で採択できなかった。

賛成したのは米国など11カ国。中国とインド、アラブ首長国連邦(UAE)は棄権した。決議案は米国やアルバニア、日本など81カ国が共同提案した。安保理外交筋によると、決議の内容を巡って中国やインドが難色を示したことなどを理由に、会合が当初予定から2時間延期された。米国はロシア以外の理事国全ての支持を得ることを目指したが、実現できなかった。

ロシアのネベンジャ国連大使は「決議案はウクライナ人の根本的な利益に反している」と拒否権を発動した理由を説明した。「ロシアはウクライナの都市を爆撃していないし、ウクライナへの戦争を仕掛けているわけでもない」とも主張した。棄権した中国の張軍国連大使は「外交的解決に向けたあらゆる努力を歓迎し奨励する。ロシアとウクライナによる問題解決を支持する」と述べるにとどめた。

ウクライナのキスリツァ大使は「どんなに複雑な歴史的背景があっても、今起きていることを正当化する口実にはできない。占領軍を平和維持軍と呼び、自衛権を主張するのは狂気の沙汰だ」とロシアを非難した。「国際法違反の欺瞞に満ちた行為だ」と指摘し「ロシアの言葉はプレッツェルに開いた穴よりも価値がない」とした。

「平和のために、すでに殺されてしまった人々のために祈って欲しい」。キスリツァ氏が黙とうを呼びかける場面もあった。ロシア大使が遮ろうとしたが、キスリツァ氏が数秒間の黙とうをささげる間、議場は静まりかえった。黙とうを終えたキスリツァ氏が謝意を述べると、議場からは拍手が起こった。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は会合後に日本を含む51カ国と共同声明を発表し、「ロシアは拒否権を乱用したが、我々の声やウクライナの人々、この戦争に抗議するロシア人、国連憲章に対して拒否権は発動できない」と強調した。今後の対応については「ロシアの拒否権が適用されない国連総会で問題を取り上げて、世界はロシアの責任を追及する」と話した。国連外交筋によると、早ければ26日にも議論する可能性がある。

国連のグテレス事務総長はウクライナの危機管理調整官としてアミン・アワッド氏を任命したと発表した。少なくとも10万人のウクライナ人が家を逃れるなど「人道的支援の必要性が刻一刻と高まっている」と指摘した。全ての関係者に対し、国連職員や人道支援に携わる人々の移動の自由や安全な活動を保証するよう求めた。

当初の決議案はロシアのウクライナ侵略について「最も強い言葉で非難する」との文言が盛り込まれていたが「最も強い言葉で遺憾の意を表する」との文言に変更された。「即時に完全かつ無条件でロシア軍の撤退」を要請する内容も盛り込まれていた。ウクライナ東部のルガンスク州とドネツク州をめぐる独立承認は「ウクライナの領土保全と主権の侵害だ」と明記し、決定を撤回するよう求めていた。

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