カリフォルニア州、外出規制を緩和 死者数は高水準

【シリコンバレー=佐藤浩実】米カリフォルニア州は25日、新型コロナウイルス対策の外出規制を緩和すると発表した。理髪店の営業やレストランの屋外飲食などを禁じていたが「感染拡大の速度が緩やかになった」として、今後は郡と呼ぶ地域ごとの判断に委ねる。ただ全米最多の3900万人が暮らす同州では今も1日500人規模の人が亡くなっており、収束にはほど遠い。
2020年12月3日に出した「地域別外出制限令」を25日に解除した。制限令は集中治療室(ICU)のベッドの空き状況を基に、美容院やネイルサロンの営業を禁じたり、レストランの営業を宅配と持ち帰りだけに制限したりしていた。クリスマスや年末年始の感染拡大を抑える狙いがあり、州人口の9割以上が住む地域が規制の対象になっていた。
米疾病対策センター(CDC)によれば、カリフォルニア州の新規感染者数(7日移動平均)の直近のピークは1月13日の4万2687人。23日には同2万6399人まで減少し、検査を受けた人数に占める陽性確認者の割合も低下した。マーク・ガリー州厚生長官は「州は最も危険な状態からゆっくりと脱出し始めている」と指摘した。

一方で、23日の死者数(7日移動平均)は485人に上り、コロナの感染拡大以降で最多の水準に近い状況が続いている。州南部など現時点でICUのベッドの空きがほとんどない地域もあり、このタイミングでの規制緩和を疑問視する声も出ている。
同州の外出制限令をめぐっては飲食店経営者から「厳しすぎる」と不満の声が出ており、行政を訴える動きがあった。州南部を中心に、ニューサム知事のリコールを求める運動も広がっていた。