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グーグルCEO「AI+ハードで独自性発揮」

24日に日本経済新聞などの取材に応じた米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は得意とする人工知能(AI)に独自開発する腕時計型端末などのハードウエアを組み合わせ、独自性を高める考えを示した。主なやり取りは以下の通り。

――5月11日に開いた開発者会議「グーグルI/O」では腕時計型端末を発表するなどハード強化の姿勢が目立ちました。

「当社はこれまでに多くのサービスを開発し、さらにAIを活用して機能向上を加速させようとしている。AI、サービス、ソフト、さらにハードを組み合わせることにより独自性を高められる。独自開発した半導体のグーグル・テンソルを搭載したスマートフォンを発売し、画像処理に活用し、(会話などの)文字起こしに利用するといった成果を上げている」

「様々な製品を自社で手がけてシームレスにつなげ、ビジョンとして掲げるアンビエント・コンピューティング(利用者が機器を意識しなくてもサービスを使えるようにすること)を実現することも狙いだ。多くの処理を機器で完結させられるようになり、プライバシー保護にもつながる」

――スマホなどの独自開発を強化すると、これまで基本ソフト(OS)「アンドロイド」を提供してきた機器メーカーと競合することになりませんか。

「当社はアンドロイドをプラットフォーム(基盤)として他社提供することに責任を持って取り組んでいる。実際、アンドロイドは多様な形状の機器に対応するように改良を進め、『13』ではさらに増やす。自ら機器を手がけるのは将来のコンピューターの姿を模索するためで、こうした取り組みによりソフト開発者の関心が高まり、他社にも好影響があると考えている」

――I/Oでは拡張現実(AR)技術を活用した眼鏡型端末も披露しました。約10年前の「グーグル・グラス」は成功しませんでしたが……。

「グーグル・グラスは当時としては意欲的なコンセプトだったと思うが、環境は大きく変わっている。自然言語処理や画像分析といった技術が大きく進歩し、利用者が心地よく身につけられる機器を開発する能力も高めた。また、ARは既にスマホの検索や地図で実用化しており、装着して動きやすい眼鏡型などにすることで魅力を高められる」

――ハードに加えてクラウドコンピューティングも強化分野に掲げています。営業赤字が続いていますが、いつ黒字化しますか。

「クラウドは当社にとってもっとも重要な事業のひとつで、部門損益の開示も始めて透明性を高めた。クラウドへの移行は始まったばかりで、成長余地は大きいとみている。そのため、事業規模の拡大を優先し、世界各地で営業人員や販売促進などへの投資を先行させた。黒字化の道筋は描いているが、長期的な視点で考えている」

――SNS(交流サイト)では投稿管理が社会的な課題になり、グーグルも動画共有サイトのユーチューブで対応の強化を求められています。

「ロシアやウクライナなどを含め誤情報対策で進歩を遂げたが、最重要課題であることに変わりない。ここでもAIが果たす役割は大きくなっている。英語以外の言語にどう適用するかが焦点になっており、米国でもスペイン語の誤情報対策が急務だ。当社としてすべきことも多いが、何を誤情報とするかについて社会的な合意を形成することも課題だ」

――各地でスマホのアプリ配信サービスや課金システムを独占・寡占と見なし、外部開放を求める動きも強まってきました。

「当社は数万人規模の技術者を投じてアンドロイドの開発を進めている一方、無償で提供してきた。アプリ配信サービスでは97%が無料で、有償アプリでも99%が課金手数料は15%以下になっている。アンドロイドはもっともオープンなOSといえる。ソフト開発者の成功が重要なのは間違いないが、当社としても持続可能なビジネスモデルが必要だ」

――各地で報道機関に記事使用料を払うことを前提としたサービスを始め、欧州では検索結果に含まれる記事にも対価を支払うことで合意しました。

「ニュースの生態系が非常に重要と考え、サービスを通じて多くの価値を提供してきた。当社は(報道機関のサイトへの)送客規模がもっとも大きな企業の一社であり、収益化の支援やライセンス契約も進めている。米国では規制に先んじて(一部報道機関と)契約した。法制化の動きがある地域もあり、規制に合致する形で話を進めていく」

(聞き手はシリコンバレー=奥平和行)

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