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米、東南ア支援で巻き返し図る ASEANと外相会議

ブリンケン米国務長官はASEANとの関係強化に動く=ロイター

【シンガポール=中野貴司、ワシントン=永沢毅】米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は14日、バイデン米政権の発足後初の外相会議をオンライン形式で開いた。東南アジア域内で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、米国はワクチン供与の拡大などを通じて影響力を拡大する中国に対する巻き返しを図る。国軍がクーデターで全権を掌握したミャンマー問題では、米側がASEANに特使の任命など早期の行動を促した。

ブリンケン米国務長官は5月下旬に、ASEAN各国の外相とオンラインで会談する予定だったが、米側の通信障害で急きょ中止となった。中国は6月上旬に、重慶にASEAN各国の外相級を招き対面の会議を開いており、バイデン政権の東南アジア外交の出遅れが目立っていた。

米国務省によると、ブリンケン氏は会議で「米国は新型コロナとの戦いでASEANと協働する」と強調した。東南アジアでは新型コロナの感染拡大が続くが、ワクチンでは中国製に依存し、接種率も低迷する国が多い。米国は5日に100万回分のワクチンをマレーシアに送り、7日にはタイへのワクチン寄付を決めるなど、ここにきて協力を加速させている。マレーシアのヒシャムディン外相はワクチン特許の一時放棄を支持する米国への謝意を示し「一時放棄によってワクチン供給がさらに増えてほしい」と語った。

一方、米国はミャンマー問題では民政への早期回復の道筋をつけられるように、ASEANに一致した行動を求めた。ASEANは4月の臨時首脳会議でミャンマーへの特使派遣や国軍と民主派の対話開始など5項目で合意したが、その後も目立った前進はみられない。ブリンケン氏は会議で「5項目は重要な一歩だ」と評価しつつ、ASEANに具体化に向けた行動を促した。

米国はASEANをインド太平洋戦略の重要なパートナーと位置づける。米国家安全保障会議でアジア戦略を担うキャンベル・インド太平洋調整官は6日の講演で「私たちは東南アジアでもっと頑張っていかないといけない」と述べた。

ただ、ブリンケン氏やオースティン国防長官は就任後に域内を訪れておらず、ASEANはバイデン政権の関与強化になお半信半疑だ。トランプ前大統領は東南アジアの懸案にほとんど目を向けず、訪問も滞りがちだった。ASEANとの今後の首脳級、閣僚級会合でこうした負の遺産を払拭できるかが焦点となる。

ASEAN側もアジア太平洋地域でのパワーバランスを維持するため、バイデン政権の関与強化に期待する意見がある。中国は南シナ海の軍事拠点化の動きを止めておらず、領有権を争う東南アジアの国々が対抗するには米国の支援が必要だからだ。ブリンケン氏は14日の会議で、南シナ海問題に関して「中国の違法な領有権の主張を拒絶する」と強調した。中国と領有権を争うフィリピンのロクシン外相は南シナ海問題での米国の支援を歓迎すると発言した。

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