テスラ、米ネバダ州でEV電池増産 4600億円を追加投資

【シリコンバレー=白石武志】米テスラは24日、巨大電池工場を運営する米西部ネバダ州に36億ドル(約4600億円)を追加投資すると発表した。小型電気自動車(EV)200万台分に相当する100ギガ(ギガは10億)ワット時の年間生産能力を持つ電池工場を追加する。同社初の商用車である電動トラックの量産工場も新設する。
テスラは2017年からネバダ州でパナソニックホールディングス(HD)と巨大電池工場「ギガファクトリー」を共同で運営してきた。テスラは累計投資額が62億ドルとなり、これまでに1万1000人を超える直接雇用を生み出したと説明している。
ネバダ州内に建設する新たな電池工場では3000人を追加雇用し、従来よりも大型で容量が約5倍の新型電池「4680」を生産する。ネバダ州内の既存工場を含む年間生産能力は現在の約40ギガワット時から約3.5倍の約140ギガワット時に増える見込みだ。
ネバダ州内では電動トラック「セミ」の量産工場も建設する。17年に試作車を公表した際には19年の生産開始を表明していたが、部品の供給不足などを理由に計画が遅れていた。テスラはこれまで同州内で試験的に生産しており、22年末には米飲料大手ペプシコへの納車を始めていた。
テスラが23年1月2日に発表した22年のEV世界販売台数は21年比40%増の131万3851台だった。通年ベースで過去最多を更新したものの、前年比50%超の増加としていた当初の目標は下回った。株式市場ではテスラ製EVの需要が伸び悩んでいるとの懸念が広がっており、25日に発表する22年10〜12月期決算に注目が集まっている。
テスラは販売をてこ入れするため、22年10月以降に中国や日本、米国などで相次いで主力車種の値下げに踏み切った。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は基幹部品である電池への継続的な投資を表明することで、成長減速への懸念を払拭する狙いとみられる。
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