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エクソン総会「物言う株主」勝利から1年 対話手探り

【ヒューストン=花房良祐】米石油大手エクソンモービルは25日、定時株主総会を開催し、気候変動対策の強化を求める環境団体の株主提案が反対多数で否決された。一方、気候変動が業績に与える影響をまとめた報告書の公表を求める株主提案は5割強の賛成で可決した。環境対応を巡って同社経営陣と株主との対話はなお手探りが続いている。

2021年の株主総会ではアクティビスト(物言う株主)の米投資会社「エンジン・ナンバーワン」が株主提案で推薦した取締役候補3人が選任され、経営の転機になった。今年の総会では、エクソン側がこの3人を含む取締役候補11人を推薦し、9割以上の賛成で可決された。

環境団体が提案した気候変動対策の強化案への賛成比率は3割以下にとどまった。気候変動の影響報告書に関する株主提案にはエクソンが反対していたが、年金基金など多数の株主が賛成に回った。50年に温暖化ガス排出の実質ゼロを達成するための国際エネルギー機関(IEA)のシナリオが、エクソンの業績にどう影響するかを報告書にまとめるという内容だ。

ダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は同日、「持続可能な解決策と社会の(エネルギー)需要を満たしながら低炭素社会を支援することが大事だ」と述べた。

エクソンは従来、競合などに比べて気候変動対策に積極的ではないとみられていたが、株主からの圧力を受けて昨年以降に対応を強化している。石油・天然ガスの生産などで排出される温暖化ガスの排出を50年までに実質ゼロにする目標や、27年まで低炭素事業に150億ドル(約1兆9000億円)を投資する方針も表明した。

市場の評価は変わりつつある。米国みずほ証券のシルビオ・ミケロト氏は「株主はエクソンの対応に満足しており、昨年に比べて会社への圧力は弱まっている」とみる。21年の株主総会でエンジンの株主提案に賛成したカリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)のクリストファー・エイルマン最高投資責任者(CIO)は「ウッズ氏は気候変動をリードしたいと公然と語るようになった」とこの1年の変化を評価する。

原油高でエクソンの業績は改善している。23年までに30億ドルの自社株買いを実施するなど株主還元も強化する。エンジンは25日「エクソンの好業績と変化を称賛する」とのコメントを公表した。エンジンは22年1~3月に、保有するエクソン株の約半分を売却したことが明らかになっている。

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