Twitter元幹部、米議会で証言へ 内部告発の余波拡大

【シリコンバレー=奥平和行】米議会上院の司法委員会は24日、9月13日に開く公聴会に米ツイッター元幹部のピーター・ザトコ氏を証人として招くと発表した。ザトコ氏側はツイッターの安全対策の不備などについて内部告発したと23日に明らかにしている。買収提案を撤回したイーロン・マスク氏に加え、米政界からもツイッターへの圧力が高まってきた。
上院司法委の委員長を務める米民主党のディック・ダービン議員と、米共和党の筆頭委員、チャック・グラスリー議員は24日の声明で、「ザトコ氏が主張するツイッターにおける安全対策の不備や外国勢力による介入は深刻な懸念を抱かせている」と指摘し、真相究明に向けて必要な措置をとると説明した。
ザトコ氏は22年初めまでツイッターのセキュリティー責任者を務め、23日に一部の米メディアを通じて同社の安全対策の不備などについて内部告発したと明らかにした。告発状は米証券取引委員会(SEC)や米連邦取引委員会(FTC)などの米政府機関に加え、議員にも送っていた。
米議会はこれまでに複数回にわたってツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO、当時)を呼び、民主党の議員を中心に消費者保護策の不備などを追及してきた。一方、共和党の議員は投稿管理方針が不透明で保守派の発言を封じようとしているなどと批判してきた経緯がある。
ツイッターは同社に対する買収提案を撤回したマスク氏との間で訴訟を抱え、「ボット」などと呼ぶ実態の乏しいアカウントの集計・開示方法が焦点になっている。米メディアなどによるとザトコ氏はこの問題についてもマスク氏側の主張に沿った発言をしており、公聴会で関連する事実が明らかになれば裁判にも影響を及ぼす可能性がある。