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「暗黒時代に逆戻り」 米中絶判断で各州が独自の法整備

(更新)

【ニューヨーク=大島有美子】米連邦最高裁が24日、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた過去の判決を覆す判断を下したことを受け、米東部ニューヨーク州など一部の州知事や国際機関のトップから相次ぎ非難や懸念の声が上がった。独自の法整備に動く州も出始めた。

「米国で女性を暗黒時代に逆戻りさせた」。ニューヨーク州のホークル知事は24日の記者会見で最高裁の判断を非難した。「我々は(中絶措置を提供する)医療関係者を守り、保険会社が中絶を保険対象とし続けるように働きかけている」と述べ、同州で中絶措置が受けられる旨を強調した。啓発のため交通機関や小売店などで広告を展開する。

米東部マサチューセッツ州のベーカー知事は24日、同州の医療従事者が州外の住民に提供する中絶の措置が、他州の法律により妨害されないようにする州知事令に署名した。西海岸のカリフォルニア、オレゴン、ワシントンの3州は州をまたいだ協定を発表し、各州で中絶を受ける患者や、中絶を施す医療従事者を守ると強調した。

一方、共和党を地盤とする州では最高裁の判断を歓迎し、中絶の禁止に動く。南部フロリダ州のデサンティス州知事(共和党)は同日、ツイッターで「最高裁は適切に憲法を解釈した」と述べた。同州では7月から妊娠15週より後の中絶を原則禁じる。南部テキサス州は2021年に成立した州法に従い、近く中絶が禁止となる見通し。中絶を実施した医師は終身刑となる可能性もある。

こうした事態に、国際機関からも懸念の声が上がる。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、「安全かつ合法的な中絶をする権利は国際人権法に根ざしている」と強調。米最高裁の判断に関わらず「米国は基本的な権利の保護を確約する国際的な人権義務がある」との見解を表明した。

国連のグテレス事務総長は報道官を通じて「中絶へのアクセスを制限しても、人々が中絶を求めるのを防ぐことはできない」と述べた。通常の医療機関で中絶ができなくなり、十分の技術を持たないような機関へ女性が向かうことで「中絶をより危険なものにするだけだ」との懸念を示した。

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