米大統領選候補の台湾系ヤン氏、NY市長選出馬を検討

【ニューヨーク=大島有美子】2020年の米大統領選で民主党候補の指名争いに加わった台湾系実業家のアンドリュー・ヤン氏が、21年6月に実施予定のニューヨーク市長選への立候補を検討していることが24日、分かった。同氏は全国民に生活費を支給する最低所得保障を主張しており、立候補すれば注目を集めそうだ。
このほどニューヨーク市選挙資金委員会に市長候補者として必要な書類を登録した。同氏は1975年ニューヨーク州東部生まれで、米CNNによると25年ほど同州で過ごした。大統領選では米国民全員に連邦政府が月1000ドル(約10万4000円)を支給するという施策を掲げ、若年層の支持を集めた。実業家としてシリコンバレーにも豊富な人脈を持つ。
ニューヨーク市長は4年任期で2期8年まで務めることが認められている。現職のデブラシオ市長は14年に就任し2期目に入っており、21年末で任期満了となる。市長選に向けて既に30人超が候補者として登録。米銀大手のシティグループの元幹部で黒人のレイ・マグワイア氏も出馬の意向を表明しており、既に登録済みだ。
同市会計検査官を務めるスコット・ストリンガー氏も候補者となっており、政治家から実業家、ウォール街の出身者など多様な人材が市長候補として名を連ねる。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず経済格差が広がるなか、候補者の掲げる政策論争が熱を帯びそうだ。