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ブラックロックCEO、侵攻で「グローバル化に終止符」

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【ニューヨーク=伴百江】世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は24日、株主に宛てた手紙で、ロシアのウクライナ侵攻が「グローバリゼーションに終止符を打った」と記した。各国がエネルギーの脱ロシア依存を模索するなかで、温暖化ガス削減に向けた取り組みは短期的に軌道修正を余儀なくされると指摘した。

フィンク氏は「(各国は)ロシアとの経済戦争に突入した」と強調。米欧による制裁や民間企業の事業撤退などで「ロシアは国際資本市場から遮断された」と述べた。同社は34年前に創業し、米ソ冷戦終結による「平和の配当」やグローバリゼーションの追い風を受けてきたが、これまでの前提が変わったとの認識を示した。

10兆ドル(約1220兆円)超の資産を運用するブラックロックは、すでにロシア関連の金融資産への投資を停止した。関連債券や株式を組み入れたファンドで総額約170億ドルの評価損を計上している。フィンク氏は「過去数週間にわたり、顧客や当社の社員に向けて、ロシア向けの投資をどう避けるか説明してきた」と表明。「新しい投資環境をうまく切り抜けるために、この危機の直接・間接的な影響を注視していく」と説明した。

各国政府や企業がロシア依存を見直すなかで恩恵を受けるのは「メキシコやブラジル、米国、東南アジアの製造拠点だろう」との見方を示した。同社が事業を強化している中国など打撃を受ける可能性のある国については言及を避けた。

各国がロシアの原油・天然ガスに代わるエネルギー源を模索している。フィンク氏は「長期的には今回の危機が再生可能エネルギーへのシフトを加速する」とする一方、温暖化ガス排出量の実質ゼロ(ネットゼロ)への転換は一時的な停滞が避けられないと指摘。機関投資家としてESG(環境・社会・企業統治)の改善に向けた取り組みが難航する可能性を示唆した。

ロシアの侵攻やその後の経済制裁を踏まえ「各国で(従来の)通貨に依存することを再考する動きが加速するだろう」と予想し、デジタル通貨の役割が拡大する可能性に言及した。米連邦準備理事会(FRB)によるデジタルドルの取り組みにも触れ、「グローバルなデジタル決済システムはマネーロンダリングや汚職のリスクを軽減しながら、国際的な取引の決済を強化できる」と述べた。

フィンク氏が暗号資産(仮想通貨)について公式に言及したのは初めてで、ブラックロックが仮想通貨や法定通貨を裏付けとする「ステーブルコイン」、関連技術の研究に取り組んでいると語った。

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