/

NYダウ4週ぶり上昇、中国恒大への警戒感は残る

ダウ平均は小幅ながら3日続伸した(24日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター

【ニューヨーク=宮本岳則】米株式相場が下げ止まりの兆しをみせている。24日のダウ工業株30種平均は前週末比0.6%高で取引を終えた。週間ベースで上昇したのは、4週間ぶりとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、買いが入りやすくなった。中国恒大集団の債務問題への警戒感はなお残っており、株高基調に戻れるのか見通せない。

24日のダウ平均は前日比33ドル18セント(0.09%)高の3万4798ドルで取引を終えた。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数も取引終了時間にかけて徐々に下げ幅を縮め、終値はほぼ前日比横ばいとなった。JPモルガン・チェースなど銀行株が金利上昇を受けて買われたほか、エクソンモービルなどエネルギー株も足元の需給逼迫を理由に上昇した。

米株相場は先週まで停滞感が強まっていた。ダウ平均は17日まで3週連続で前週末を下回り、続落記録としては約1年ぶりの長さだった。米国経済の成長速度の鈍化を受けて、米国株の割高さが意識されやすくなった。中国恒大集団の債務問題に対する警戒感が高まった20日、ダウ平均が7月以来の下げを記録するなど、積極的な「買い手」は不在だった。

市場の雰囲気が変わり始めたのは22日からだ。FOMC後の記者会見で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が11月にも量的緩和の縮小(テーパリング)開始を決めると表明した。公表内容は「市場のほぼ想定通り」(インバーネス・カウンセルのティム・グリスキー氏)との受け止めが大半だった。

一部の投資家は「テーパリング9月決定」といったリスクシナリオに備えて事前に先物を売ったり、買いを控えたりしていた。FOMC通過を受けて、ヘッジ(損失回避)取引の解消や待機資金の流入が相場を押し上げたようだ。米サスケハナ・インターナショナル・グループのクリストファー・マーフィー氏は、将来の相場変動率を映す「VIX指数」の急低下も株高の要因と指摘する。

もっとも株高基調にすんなり回帰するかは見通せない。恒大問題への警戒感は残っている。米証券ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「リーマン・ショック」のような金融システム不安に発展するリスクは小さいとしながらも、「中国政府が過剰債務の圧縮に動き、経済成長が鈍化する」と指摘する。

米長期金利の指標となる10年物国債利回りは24日、前日比0.02%高い(価格は安い)1.45%で終えた。7月上旬以来ほぼ2カ月半ぶりの高さだ。「24年以降の利上げ継続を織り込んで金利上昇が進む」(米モルガン・スタンレーのアンドリュー・シーツ氏)。金利上昇局面ではハイテク株の割高さが意識されやすく、株式相場の上値も重くなる。

10月中旬から本格化する21年7~9月期決算も株式相場の行方を左右する。

24日の米株市場ではナイキ株が急落した。終値で前日比6%安となり、米主要500社で最大の下落率だ。前日の決算発表で売上高見通しを引き下げたことが嫌気された。サプライチェーン(供給網)問題で年末商戦向けの生産や商品輸送に支障が出ているという。米主要企業の決算説明会で慎重見通しの公表が相次ぐ展開になれば、投資家は上値を追いにくくなる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン