米ウォルマート、店舗の最低時給2ドル増の14ドルに

【ニューヨーク=白岩ひおな】米小売り大手ウォルマートは24日、同社の米国の店舗で働く従業員約34万人の最低賃金を3月上旬から時給14ドル(約1800円)に引き上げると発表した。従来の最低賃金(12ドル)から約17%積み増し、慢性的な人手不足の解消をめざす。
対象は店舗で接客や品出しなどを担う従業員ら約34万人が対象で、職務や経験に応じて現行の12ドル〜18ドルから14ドル〜19ドルに引き上げる。3月2日付で支払う給与から反映する。
米国部門のジョン・ファーナー最高経営責任者(CEO)によると、今回の賃上げにより同社の米国内平均賃金は17.50ドル超になる見通しだ。米国内で約160万人の従業員を抱える全米最大の雇用主である同社の賃上げは、他の小売企業に波及する可能性がある。
足元では大手IT(情報技術)企業や金融機関などで大規模な人員削減が相次ぐ一方、小売りや飲食などの分野では労働力の不足が続く。ウォルマートは大学に通う従業員の学費支援の対象拡大や初年度に最大11万ドルの給与を得られるトラック運転手のポスト募集なども進め、人手不足の解消につなげる。