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NYダウ乱高下 一時800ドル安も終値プラスに

(更新)

【ニューヨーク=斉藤雄太】米株式市場で不安定な値動きが続いている。24日はダウ工業株30種平均の前日比下げ幅が一時800ドルを超えたが、取引終了前にプラスに転じた。ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始め、資源価格の一段の高騰がインフレ長期化懸念を誘っている。米景気の下振れリスクが高まる一方、急激な金融引き締めへの警戒感がやや和らいだ面もあり、投資家心理も揺れている。

ダウ平均は取引開始直後に急落し、一時は859ドル安の3万2272ドルと11カ月ぶりの低水準を付けた。午後には買い戻しが優勢になり、終値は92ドル高の3万3223ドルと6日ぶりに反発した。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数も一時は下落率が3%を超えたが、最終的には3.3%高で取引を終えた。

ウクライナ情勢の緊迫はここ数週間、米株相場の重荷となっていた。ロシアが実際に軍事侵攻に踏み切ると投資家は当初、売りで反応した。UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・ハフェル氏は「市場は紛争の深刻化の可能性を十分に織り込んでいなかった」と指摘する。

市場が懸念するのは実体経済が冷え込むリスクだ。ロシアからの輸出が滞るとの見方から、24日のロンドン市場では北海ブレント先物の期近物が一時1バレル105ドル台まで上昇した。天然ガスのほか、小麦などの穀物価格も軒並み急騰している。「インフレの加速や欧州の景気悪化に伴う米国の輸出の鈍化が米経済の下振れリスクを高める」(PNCフィナンシャル・サービシズのガス・ファウチャー氏)との警戒感が強まっている。

24日の米市場では景気動向に敏感なJPモルガン・チェースなどの金融大手やプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、コカ・コーラなどの下げが目立った。米株の予想変動率を示し、投資家心理を映すVIX指数は一時37強と約2割上がった。

一方、マイクロソフトやインテルは株価上昇率が4~5%に達し、ハイテク株が相場の戻りをけん引した。米オアンダのエドワード・モヤ氏は「底値を買う投資家は(物価変動を除いた)実質金利の低下と、成長率や投資評価面で妥当な見通しを持つ銘柄に注目している」と指摘する。

市場では、地政学リスクが高まり成長鈍化の懸念があるなかでも、インフレ抑制の必要性から「米連邦準備理事会(FRB)が3月の利上げ開始を見送ることはない」(米ゴールドマン・サックス)との見方が多い。ただ急な引き締めは景気や市場心理を過度に冷やす恐れがあるため、3月に0.5%の大幅利上げに動くとの予想は大きく後退している。

FRBがインフレを抑え込めるのか不確実性が増し、ウクライナを巡る米欧とロシアの対立がどれだけ深まるかも読み切れない。相場変動が大きくなる展開が当面続きそうだ。

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