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NYダウ乱高下、FRB・ウクライナ警戒で一時1100ドル安

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【ニューヨーク=宮本岳則】24日の米株式市場は値動きの荒い展開となった。ダウ工業株30種平均の下げ幅は一時1100ドルを超えたが、午後から買い戻しが優勢となり、前週末比プラスで終えた。米連邦準備理事会(FRB)による金融政策の正常化やウクライナ情勢の緊迫が警戒されている。長期投資家が様子見姿勢を強めるなか、投機筋の短期売買で相場が大きく動きやすくなった。

ダウ平均の終値は前週末比99ドル13セント(0.3%)高の3万4364ドル50セントだった。ナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数もプラス圏で終えた。サスケハナ・インターナショナル・グループのデリバティブ戦略共同責任者、クリストファー・マーフィー氏は「S&P500指数が一時、(3日につけた)最高値から10%安となり『調整局面』入りしたことで、押し目買いを狙っていた投資家が動いた」とみる。

米株式市場では不安定な値動きが続いている。主に①金融引き締めに積極的な「タカ派」FRBへの懸念②企業業績や経済成長が減速しているとの危惧③ウクライナ情勢など地政学リスクの高まり――という3つの要因が重なり、投資家は積極的に買いを入れにくくなっているからだ。

25~26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。市場では3月の利上げ決定が既定路線とみられている。FRB高官が先週までに金融政策の正常化に前向きな発言を繰り返したことで、量的緩和の終了や量的引き締め開始のタイミング、利上げ回数や幅を巡って様々な観測が飛び交っている。例えば量的緩和を突然止めたり、初回の利上げ幅を0.5%にしたりするといった見方だ。

ハイテク株は低金利環境の継続を前提として、将来の利益拡大を株価に織り込み、PER(株価収益率)が高止まりしてきた。金利上昇局面ではPERの縮小が意識され、売られやすくなる。パウエルFRB議長は透明性の高い運営で、市場に政策変更を織り込ませてきたが、ここにきて一気に不確実性が高まり、投資家は戸惑いを隠せなくなっている。

企業業績や景気の先行きに対する見方も慎重になってきた。先週から米主要企業の決算発表が始まっており、賃金上昇や原材料価格の高騰による利益率悪化、新型コロナウイルス拡大期の「巣ごもり特需」はげ落ちがテーマになっている。米動画配信大手ネットフリックスの21年10~12月期決算は投資家の期待値に届かず、株価がコロナ拡大初期の水準まで低下した。

ウクライナ情勢を巡ってはロシアによる軍事行動の脅威が高まり、24日までに米英両政府が在ウクライナ大使館に勤務する一部職員と家族に退避命令を出すなど緊迫化している。投資家心理を測る指標である変動性指数(VIX)は一時、前週末比3割高い38と心理的節目の30を大きく上回った。不安心理が高まった状態とされる20から水準を切り上げている。

市場では急ピッチの株価下落について「売られすぎ」との声も出ている。米運用会社ヌビーンのチーフ投資ストラテジスト、ブライアン・ニック氏は「(最高値から)20%以上の下落は不況のときにのみ起こる傾向があり、現時点でその可能性は非常に低い」と指摘し、米国株は「買い場」が近づいていると主張する。

26日のFOMC後にFRBのパウエル議長が記者会見を予定している。冒頭発言や質疑応答を通じて、利上げ開始に向けた地ならしを進めるとみられる。金融政策への不確実性が大きくなっているだけに注目度は高い。ケース・キャピタル・アドバイザーズのマネジングパートナー、ケニー・ポルカリ氏は「FRBから明確なガイダンスが得られるまで市場は落ち着かない」と予想する。

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