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不法移民の摘発、4割近く増加 米国・メキシコ国境

(更新)

【ヒューストン=花房良祐、メキシコシティ=清水孝輔】米国とメキシコの国境で2022年度(21年10月~22年9月)に拘束された人数が前年度比37%増の約238万人となり、過去最高となった。11月8日の中間選挙を控えて野党・共和党は移民対策が失敗したとして与党・民主党への批判を強めており、バイデン政権は防戦に回っている。

税関・国境取締局(CBP)の統計によると、バイデン政権が発足してから急増している。取り締まりが緩くなると期待した越境者が増えた。経済が崩壊したベネズエラ、抑圧的な政治体制のニカラグアやキューバからの不法移民が目立つ。

米メディアによると、全体の約半分が即時送還された一方、残り半分は米国に待機して当局に亡命申請などをしている。

中間選挙では連邦議会の下院で民主党の苦戦が伝えられている。国境地帯に住む米国籍のヒスパニック系有権者の間では治安や雇用確保の側面から取り締まりを求める声が強く、対策強化を訴える共和党が支持を取り込もうとしている。テキサス州やフロリダ州は北部の民主党の地盤に不法移民をバスや飛行機で送り込み、政治の争点にしようとしている。

一方、人道的な側面から寛容な移民政策を20年の大統領選で打ち出していたバイデン大統領は苦しい立場だ。米国土安全保障省は12日、ベネズエラ出身の不法移民をメキシコに送還する措置を始めると発表した。マヨルカス長官は同日、「不法に米南部の国境を越えようとした者たちはメキシコに送り返され、将来も合法的な手続きができなくなる」と述べた。

不法移民の即時送還措置は「タイトル42」と呼ばれ、トランプ前政権が新型コロナウイルス対策という名目で導入した。メキシコや中米出身の不法移民を送還してきたが、今回の措置でベネズエラも対象に加える。

バイデン政権は公にはタイトル42の廃止をめざしてきた。タイトル42で送還された移民が犯罪被害に遭う事例が多発しており、民主党左派や人権団体が廃止を求めてきたからだ。だが米中間選挙前に不法移民が急増し、方針を転換している。

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