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日米韓、来週に高官協議へ 対北朝鮮 同盟重視で仕切り直し

バイデン米大統領は北朝鮮との対話を探っている=ロイター

バイデン米政権は来週、首都ワシントンで日本、韓国と3カ国の高官協議を開く。米国が進めている対北朝鮮政策の検証が最終段階に入っており、朝鮮半島の非核化の進展へ同盟国との連携の仕切り直しをはかる。21日に短距離ミサイルを発射していたことが明らかになった北朝鮮だが、過度な挑発は控えつつ、米国の出方を見極める構えだ。

日米韓の協議はサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が主催し、日本の北村滋国家安全保障局長、韓国の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が訪米する。「どう調整して北朝鮮政策に取り組むのが最善なのか、戦略を練る」。米政府高官は23日、こう語った。

新型コロナウイルスの制約があるなかで対面式の協議を開くのは、同盟重視の表れといえる。トランプ前大統領は韓国に相談せず、米韓合同軍事演習を中止した。同高官は日本人拉致問題や韓国が探る南北経済協力にも「耳を傾けるし、考慮する」とも述べた。日米、米韓の2国間協議も含めて米国は終日かけて突っ込んだ協議を想定する。

バイデン政権が視野に入れるのは北朝鮮との対話だ。「対話のドアが閉じていると思われたくはない」(同高官)の発言どおり、2月から接触を試みてきた。

その一端が表れたとみられるのが、日本時間24日に明らかになった北朝鮮の短距離ミサイル発射への反応だ。韓国軍や関係者によると北朝鮮は21日午前6時半ごろ、巡航ミサイル2発を平壌の南西にある平安南道・温泉郡から黄海に向けて発射した。

専門家は今回のミサイルについて、北朝鮮が1月の軍事パレードで公開した新型の地対艦ミサイルだった可能性を指摘している。国連安保理決議は北朝鮮にあらゆる種類の弾道ミサイルの発射を禁じているが、射程の短い巡航ミサイルはその対象ではない。

1月20日のバイデン政権発足後、北朝鮮のミサイル発射が表面化したのは初めて。バイデン大統領は記者団から「挑発と思うか」と問われると「国防総省によると、いつものことだ。新しい話じゃない」と述べ、挑発とは捉えていないとの立場をにじませた。米政府高官も「通常の軍事活動の一環だ」と静観する姿勢を示した。事態をエスカレートさせたくないとの思惑がうかがえる。

発射は米韓の合同軍事演習が18日に終了した直後だった。ブリンケン国務長官らが15日から日韓を歴訪して同盟の結束をアピールし、18~19日には米アラスカ州で中国外交トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員らと直接会談した後でもあった。

米韓両国は発射のあった21日の時点で公表せず、今回は米紙報道を米政府と韓国軍が追認する形で判明した。2020年4月14日に北朝鮮が巡航ミサイルを発射した際は、韓国軍が同日中に発表していた。

米韓は「すべてを公にしているわけではない」と足並みをそろえたが、韓国メディアや保守系野党はこの対応を疑問視する向きもある。大手紙の朝鮮日報は、韓国軍が発射の始終をモニターしていたと報じた。

北朝鮮は18日に公表した崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官の談話で米国との対話を拒むなど、かたくなな姿勢を見せているが、なおバイデン政権の出方を見極めている段階だ。

米国を過度に刺激する策は回避しようと、安保理決議違反を提起されうる弾道ミサイルは回避した可能性がある。北朝鮮の公式メディアもミサイル発射には一切触れていない。

北朝鮮は2019年以降に国連決議違反となる短距離弾道ミサイルの発射実験を繰り返した。当時は対話のパイプを維持したいトランプ氏が事実上黙認し、北朝鮮は迎撃の困難な複数の弾道ミサイルの技術開発を進める結果におわった。(ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介)

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