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ロシア、米国防総省・軍トップとの対話拒否 米報道

【ワシントン=坂口幸裕】米国とロシア両政府の国防・軍トップの対話が途絶えている。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は23日、ロシアが米国の呼びかけを拒んでいると報じた。両国で世界の9割の核兵器を保有する米ロの責任者同士が意思疎通できず、不測の事態に発展するリスクが高まっているとの懸念が出ている。

ロシアがウクライナに侵攻した2月24日以降、オースティン米国防長官がロシアのショイグ国防相に、ミリー米統合参謀本部議長がロシア軍のゲラシモフ参謀総長に何度も協議を呼びかけたものの、いずれも応じないという。理由は不明だ。

ポスト紙は専門家の話として、①ロシアのプーチン大統領が米国の国防・軍トップとの対話を承認していない②バイデン米大統領がプーチン氏を「戦争犯罪人」と呼んだことに反発している――ことなどを挙げた。

米ロ高官のパイプは細っている。モスクワの駐ロシア米国大使がロシア当局者と接触を続けている以外は、16日にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)とロシアのパトルシェフ安全保障会議書記が電話協議した程度だ。ブリンケン米国務長官、ロシアのラブロフ外相の接触も侵攻後は明らかになっていない。

米国防総省のカービー報道官は3月上旬、主に米ロの現場レベルでやりとりする「衝突回避(デコンフリクション)ライン」を設けたと明らかにした。「ロシアとの通信手段を確保するのは非常に重要だ」と話した。米ロ両軍の日常の任務が偶発的な対立にならないよう避けるための措置で、米国はドイツに置く欧州司令部に設置した。

ポスト紙によると、米国防当局者は3月上旬に設けたメカニズムの機能は限定的だと指摘した。「不必要な緊張や混乱を避けるには、より高位の軍事責任者のやりとりが必要だ」とも伝えた。

ロシア軍は当初想定した短期決戦のシナリオが崩れ、侵攻から1カ月が経過した現在は戦況が膠着し始めている。米欧は戦局を打開するためロシアがさらに攻勢を強めるおそれがあると警戒する。

侵攻が長引くにつれてロシアは多数の民間人も犠牲になる無差別砲撃を繰り返し、ロシア国防省は18日にウクライナへの攻撃で初めて極超音速ミサイルを実戦に投入した。射程は2000キロメートルほどで、音速の5倍以上の速度で飛行するため迎撃が難しいとされる。

バイデン氏はロシアがウクライナで化学兵器を使う可能性について「現実の脅威だ」と言及。ロシアは核兵器の使用も排除しない構えをみせる。

このまま米ロの高官同士の対話ができなければ、相手の出方が読めずに言葉の応酬が双方の疑心を深めて軍事的なエスカレートを招く事態も否定できない。

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ウクライナ侵攻

ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。

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