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メキシコ、インフラ工事の情報開示を簡略化 野党は反発

【メキシコシティ=清水孝輔】メキシコのロペスオブラドール大統領は自身が進める国内の主要インフラ工事について、情報開示など必要な手続きを大幅に簡略化する仕組みを導入した。工事の費用や委託先などが公表されなくなり、透明性が後退するのは必至だ。野党や経済界から反発する声が上がっている。

22日付の官報で明らかになった。国家の安全保障に関わるプロジェクトに認定された場合、工事に関わる企業や行政機関が当局に許認可を申請する際に5日以内に却下などの回答がなければ暫定的に承認したと見なせるようになる。従来は申請手続きに必要な情報量も多く、手続きにかかる時間も長かった。

官報で具体的なプロジェクトは明示されていないが、通信や鉄道、輸送、港湾、空港、環境、エネルギーなど多岐にわたる公共事業の分野が示されている。ロペスオブラドール氏は重要政策としてユカタン半島を巡る観光鉄道や、前政権で計画した首都新空港に代わる国際空港、大型の石油精製施設などの建設を進めている。今回の仕組みの中に加えられることが予想される。

ロペスオブラドール氏は23日、「手続きを迅速化して着実に工事を進める」と話した。自身が進めるプロジェクトが国民にとって重要で、工事を遅滞なく進める必要があるとして今回の措置を正当化している。

だが野党や政府機関は情報隠蔽の懸念があると反発している。インフラ工事に関する重要な情報の公開を拒否されることにつながるからだ。国家情報公開庁(INAI)は憲法違反だとして最高裁判所に提訴する考えを示している。野党の国民行動党(PAN)は「汚職の隠蔽工作につながる」と批判している。野党などは今後、多くのインフラ工事でも同様に情報公開が制限される可能性があると懸念している。

ユカタン半島の観光鉄道はかねて環境への影響を懸念する声があがっている。今回の仕組みに取り入れられれば、本来必要な環境への影響や保護対策などが明らかにされなくなる可能性がある。住民や環境保護団体からの反発は必至だ。

メキシコ政府は2019年、数年間にわたる大規模なインフラ投資計画を発表した。道路や港湾といった主要なインフラに投資し、景気回復をめざす方針を打ち出した。ロペスオブラドール氏の目玉政策であるユカタン半島の観光鉄道や国際空港への投資はこの計画の一環だ。

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