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米国務長官、侵攻前の制裁慎重 対ロシア「抑止力失う」

【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は23日の米CNNテレビのインタビューで、ロシアがウクライナに再び侵攻する前に米欧が制裁を発動することに否定的な考えを示した。「いま制裁を発動すれば、抑止力が失われる」と述べた。ウクライナ政府や米共和党からはただちに制裁に踏み切るべきだとの声が出ている。

司会者から「なぜ侵攻を待たずに制裁を実施しないのか」と問われ「待っているわけではない」と反論。「制裁はロシアによる侵攻を抑止するのが目的だ。ロシアに深刻な影響を与える措置を含め、我々の行動は侵攻を思いとどまらせるためのものだ」と訴えた。

ブリンケン氏は「ロシア軍がウクライナに侵攻すれば欧州と一体で迅速に厳しい対応を取る」と改めて強調した。ロシアの銀行によるドル取引停止のほか、世界中の銀行が参加する決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除するなど案が浮上する。

米上院軍事委員会に所属する共和党のジョニ・アーンスト上院議員は同番組で「いますぐにロシアに制裁を科す必要がある。北大西洋条約機構(NATO)の同盟国と協力し、侵攻が起こらないようにすべきだ」と話した。

米欧とロシアはギリギリの話し合いを続けている。バイデン政権はロシアが2021年12月に提示した欧州の安全保障体制構想への回答を週内にも書面で示す。ブリンケン氏は「米欧とロシアの誰にとっても良い形で解消できる分野はいくつもある」と指摘した。

具体的には軍備管理や透明性の向上、リスクの軽減、ミサイルシステムの配置などを挙げた。米国はこれまでの協議で、欧州各国とロシアの国境付近での軍事演習に加え、地上配備型中距離ミサイルの配備を制限する案を示している。

一方、ロシアがこだわるNATOの東方拡大停止などに関し「一切妥協するつもりのない基本原則がある」と説いた。「武力行使で国境変更はできないし、他国の政策への指示もできない。容認すれば、それを見た欧州以外の国が行動を起こしかねないパンドラの箱を開けてしまう」と語った。台湾統一をめざす中国などが念頭にある。

英外務省は22日、ロシアが親欧米路線のゼレンスキー現政権を失脚させ、ウクライナに親ロシア派の政権を樹立させようとする動きがあると警告した。

ブリンケン氏は「ロシアの手口は多岐にわたる。 大規模な通常兵器によるウクライナ侵攻から、同国政府の転覆を狙った活動まで様々だ」と説明した。米財務省は20日、ウクライナの不安定化を狙うロシアの活動を支援したとしてウクライナの元政府関係者ら4人に制裁を科したと発表した。

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