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FRB、「経済活動と雇用に強さ」 大規模緩和は維持

(更新)

【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決めた。パウエル議長は会合後の記者会見で「経済活動と雇用の指標は強さを増した」との認識を示した。米国債などの資産購入を減らし始める時期に関しては「まだ(議論を始める)そのときではない」と一蹴し、危機対応からの出口論をせかす市場をけん制した。

パウエル議長は足元の物価上昇についても「一時的」と繰り返した。新型コロナウイルスのワクチン接種や経済対策で経済や雇用に強さが出てきたとしつつも「回復は均等ではなく、完全にはほど遠い」との見解を示した。

27~28日のFOMCは、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を0~0.25%のまま据え置いた。2020年3月に再開した量的緩和政策も継続し、当面は米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドルのペースで買い入れる。パウエル議長ら投票メンバー11人の全会一致で決めた。

巨額の財政出動による需要増と新型コロナウイルスのワクチン普及を背景に、FRBは景気認識を強めた。財政出動による需要増が物価上昇を加速させ、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が2.6%と2年7カ月ぶりの高い伸びとなった。

パウエル議長は物価は当面、さらに上昇するとの見通しを示しつつ、前年の物価低迷の反動や一時的な供給要因だと指摘した。就業者数も復調に向かっているが、パウエル議長は「まだ十分ではない」と指摘。「我々は見通しではなく、実際のデータに基づいて行動する」と力説した。

FOMCは声明で「労働市場が最大雇用に達し、インフレ率がしばらくの間、緩やかに2%を上回るようめざす」と改めて強調した。現行ペースでの資産買い入れも「さらなる著しい進展がみられるまで」続けるとの従来方針を繰り返した。

先進国ではすでにカナダの中央銀行が4月、資産購入の減額を決めた。市場関係者の間では、FRBが夏にかけて物価と雇用の十分な改善を確認し、年内にも資産購入の縮小に着手するとの観測が広がっている。

FOMC参加者は3月、21年の米経済の成長率が6%台に加速し、物価上昇率も目標の2%を突破するとの予測を示す半面、少なくとも23年末までゼロ金利政策を続けるとの見通しをまとめた。政策の正常化を探る時期をめぐり、FRBと投資家の認識にずれが広がれば市場の動揺を招くリスクがある。

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