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インテル、アリゾナに半導体新工場 2兆円投じ受託生産も

(更新)
インテルは他社の製造を請け負うファウンドリー事業にも参入する

【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテルは23日、西部アリゾナ州に200億ドル(約2兆1700億円)を投じて半導体の新工場を建設すると発表した。他社の製造を請け負う「ファウンドリー」事業にも参入する。世界的な半導体需給の逼迫が各国政府の課題になるなか、米国を中心に製造分野への投資を強化する。

生産拠点があるアリゾナ州チャンドラーに、2つの新工場を建設する。既存工場では回路線幅が10ナノ(ナノは10億分の1)メートルの製品などを生産しているが、新工場は7ナノ以降の製造プロセスを採用する見通しだ。稼働は2024年で生産能力は明らかにしていない。

工場建設ではバイデン政権やアリゾナ州と連携し、長期的に1万5000人の雇用を生み出すという。ジーナ・レモンド商務長官は「インテルの投資は米国の技術革新とリーダーシップを守り、米経済と国家安全保障を強化する」と声明を出した。

あわせて、他社から半導体の製造を請け負うファウンドリー事業を始めると表明した。約50年にわたるIDM(垂直統合型デバイスメーカー)の経験を生かし、半導体メーカーや半導体の自社開発を進めるIT(情報技術)企業から生産を受託する。パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「既に多くの企業から関心とサポートを得ている」とし、米マイクロソフトや米グーグル、米クアルコムなどの社名を挙げた。

ファウンドリー市場は年々拡大しており、インテルによれば25年に1000億ドル規模になる見通し。ゲルシンガー氏は23日の説明会で「先端的なファウンドリーの大部分は現状アジアに集中しており、より地理的にバランスの取れた製造能力が必要だ」と話した。台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子が大手だが、インテルは米国や欧州でのファウンドリー事業の拡大をめざす。

近年のインテルは製造技術の遅れが目立っており、投資家らが外部委託を主体とする「ファブレス」への移行を求めた時期もある。インテルはパソコンやデータセンター向けの製品などで、TSMCやサムスン電子への委託生産を増やす方針も示している。

ただ、半導体産業をめぐって世界的な需給逼迫があらわになり、自動車メーカーなどでは半導体不足による減産を迫られる例も広がる。自然災害や米中摩擦に伴うサプライチェーン(供給網)の脆弱性も浮き彫りになり、自前の製造能力を持つ重要性が見直されている。

米国では2月下旬に、バイデン大統領が半導体など重要部材の供給網を見直す大統領令に署名した。インテルの新工場建設は、政権の意向に歩調を合わせるものとなる。米国半導体工業会(SIA)によると、世界の半導体製造能力に占める米国のシェアは現状12%で、1990年の37%から大幅に低下している。

ゲルシンガーCEO

ゲルシンガー氏はインテルで30年働いた後に同社を離れていたが、2月にCEOとして復帰した。かねてインテルを「ナショナルアセット(国家資産)」と呼び、米国の競争力強化に資することを重視している。

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